天才テリー伊藤対談「草刈正雄」(4)今の草刈さんなら三船敏郎も狙える

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天才テリー伊藤対談「草刈正雄」(4)今の草刈さんなら三船敏郎も狙える

テリー 例えば、どんな出会いがありましたか?

草刈 まずファッションモデルになって半年ぐらいして、資生堂のコマーシャルが決まったんですが、日本天然色映画の杉山登志さんというすごい人が、僕を選んでくださったんですよ。

テリー 海外でも高く評価されていた、有名なCMディレクターですよね。

草刈 その時は、団時朗さんの「MG5」のCMに、団さんの弟役という形で出ることになったんですが、実はもうすでに弟役は決まっていたらしいんです。それをスギさんが急遽ひっくり返して僕を起用してくれたそうで。

テリー 当時、大人気のCMシリーズだったし、まさに大抜擢じゃないですか。

草刈 そうですよね。僕、写真撮影ではすごく緊張しちゃっていたんですけど、CMでは芝居が要求されるじゃないですか。これは楽しく感じられて、「こういう仕事はおもしろいな」と思えたんですよ。

テリー あ、そこがまさに草刈さんが役者の道を歩むきっかけになったんだ。

草刈 ええ。そんな時に、ある刑事ドラマの新人刑事役のオファーを受けて、そのままトントントンと役者の道を進み始めたんです。

テリー 順風満帆じゃないですか。

草刈 ところが19歳の時、突然、高崎で交通事故を起こしてしまうんです。

テリー ええ!? そうだったんですか?

草刈 はい。相手の方の命は助かったんですが、もともと気が小さいものですから、そのあと帰っても仕事が手につかなかったんですよ。だから、いっそ仕事を辞めて、病院のそばに住みたいんだけど、みたいなことを事務所の人に話したりして。

テリー すごい。草刈さんは誠実だなァ。

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