【プロ野球】《日本シリーズ事件簿》誤審? 波紋を呼んだ歴代日本シリーズ“微妙な判定”列伝

波紋を呼んだ歴代日本シリーズ“微妙な判定”列伝

 10月23日、マツダスタジアムでの日本シリーズ第2戦。広島が日本シリーズ初のビデオ判定で貴重な勝ち越し点を奪った。

 1対1で迎えた6回裏、無死二塁で2番・菊池涼介がバスターを敢行。打球はレフト前に飛び、二塁走者の田中広輔が果敢にホームに突っ込んだ。しかし、レフトの送球でホームタッチアウト。積極的な走塁が裏目に出て、勝ち越しの好機を逃したかに見えた。

 だが、ここで緒方孝市監督がビデオ検証を要求。審判団の確認の結果、タッチよりも先にホームに到達していたとして、一転、ホームインが認められた。

 NPBでは今季からホームランに加えて、ホームでのクロスプレーにもビデオ判定を導入しており、ある意味では“誤審”を防げたということになる。

 しかし、これまでビデオ判定がなかった時代、あるいは適用されないシーンでは、日本シリーズの大舞台でも“微妙な判定”が起きたことがある。これまでの日本シリーズ史に残る“微妙な判定”を振り返ってみよう。

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■円城寺事件

 1961年、南海と巨人が戦った日本シリーズ。巨人の2勝1敗で迎えた第4戦に事件は起こった。

 3対2、南海の1点リードで迎えた9回裏。巨人は粘り強く、2死満塁のチャンスを作る。マウンド上は救援登板のスタンカ。日本初の“3A級助っ人”であるスタンカは打者・宮本敏雄を2ストライク1ボールに追い込んだ。

 ここでスタンカの投球は真ん中低めにズバリと決まった。捕手・野村克也は腰を上げ、南海の野手陣はゲームセットだと思い、マウンドへと向かった。

 しかし、球審の円城寺満はボールの判定。野村もマスクを地面に投げつけて円城寺に詰め寄ると、スタンカもマウンドから全速力でホームに駆けつけ、「Why!?」と体を捩じらせ猛抗議。南海・鶴岡一人監督や内野陣も円城寺を取り囲んだが、判定が覆ることはなく、試合再開後に宮本が逆転サヨナラ打を放ち、巨人が劇的な勝利を飾った。

 スタンカ‐野村のバッテリーの激怒はすさまじいもので、スタンカは宮本が放った逆転打のホームバックアップの際に、ドサクサに紛れて円城寺球審に体当たり。円城寺は倒れこみながらサヨナラのセーフを宣告した。

 この判定はアンチ・巨人の燃える魂に油を注ぎ、「円城寺 あれがボールか 秋の空」の詠み人知らずの句が社会的に流行したと伝わる。

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