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アメリカはバーベキュー文化が非常に盛んな国でもある。
たとえば昔、『ローハイド』というドラマがあった。これは数千頭の牛を輸送する仕事に従事している男たちを描いた作品だが、当時のカウボーイは野外でのサバイバルスキルを誰しも身につけていた。バーベキューとは、そこから発展したものだ。
ちなみに、強い火力で一気に肉を焼く調理法はバーベキューとは言わない。それは「グリル」である。本題に入る前に、そうした違いがあることを留意していただきたい。
■ スマホ連動の肉用サーモメーター
さて、バーベキューとグリルは当然ながらバーベキューのほうが難易度が高い。
弱火で肉を最低十数時間かけて焼くのだから、その作業は極めて膨大かつ慎重なものになる。とくに温度調整は調理の出来を左右するものだ。シェフは昼寝すらできない。
だが、そんな作業を軽減する製品も登場している。
毎度おなじみ『Indiegogo』。その中に『Loki』という製品があるが、これは肉用サーモメーターである。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=K4scrHgWKA0]
製品自体の見た目は「何だこれ?」とつい言ってしまいそうなもので、この物体が調理器具とはとても思えない。だが、耐熱ケーブルの先についているボール状の本体は、スマートフォンとWifi接続されている。これで肉内部の温度を知ることができるという寸法だ。
日本人にはピンと来ないかもしれないが、先述の通りアメリカはバーベキュー文化の国だ。肉は「じっくり焼くもの」である。だから中間層以上の家庭の台所には、必ず立派なオーブンがついている。
となると、Lokiのような周辺機器の需要も出てくるのだ。
■ 発明が「新たな発明」のヒントに
ただこれは、やはり「アメリカ人のための発明」という側面が否めない。それは温度表記が摂氏か華氏かという話ではなく、グリルとバーベキューの区別がない日本人には少々縁遠いものという意味だ。