家族総出でお祝いする人生のビッグイベントの一つ、結婚式。特にインドの結婚式は両家そろって盛大に新郎新婦の門出を祝うことで有名だ。
特に富裕層の家庭となれば家の面子もあるので更に派手な結婚式となりそうなものだが・・・インド・マハーラーシュトラ州の富豪、アジャイ・ムノットさんはそうしたインドの結婚式の傾向に少し疑問を感じていた。実は彼の愛娘が近々結婚式を挙げるのだが、色々考えているうちに、「結婚式にこれだけのお金をかける意義があるのか? もっと有意義なお金の使い方があるのでは?」と思うようになった。
確かに娘はかわいい。嫁いだ先で娘が後々から文句を言われないよう、盛大に祝ってやりたい。だが、ビジネスマンのムノット氏には“余ったお金はなるべく社会のために使う”との思想もあった。
「はてさて、どうしようか・・・」
氏は信頼できる友人や地元の政治家と相談し、考え抜いた末、娘の結婚式に使う予定だった資金の大部分を、家の建設費用に充てることにした。地域の貧困層の人々により良い住環境を提供するための“家”だ。
目標はアパート108部屋。娘の結婚式に間に合うよう業者にお願いしたが、結局当日までに完成したのは90部屋。目標には届かなかったものの、地域に貢献できたことにムノット氏は大変満足したようだ。電気・水道などのインフラ設備も完備。そして、入居にはアルコールやドラッグ依存で周囲に迷惑をかけない住民を選んだ。
「今は貧しいけれど、将来に希望を持って生きていきたい。そういう人々を応援したいんです」
こう語るムノット氏に、娘さんも同意する。