ショーンKのような経歴詐称を見破るために企業が対策を開始

| まいじつ
鮎太朗パパ / PIXTA(ピクスタ)

建物の免振ゴム、マンションの杭打ち、自動車の燃費…。ここ数年は、企業によるさまざまなデータの偽装が、数多く明るみになっている。その一方で、最近は政府や企業が採用する人材にも“経歴偽装”を行うケースが増えているという。企業側では「ショーンKのような経歴詐称に気を付けろ!」が合言葉になっており、外部に調査を依頼するケースもあるという。

「依頼により、個人の学歴や経歴データの認証をするサービスを行う企業があります。個人側が申請した経歴を認証するもので、法的にも個人に配慮されたものとなっています。チェック内容は、本当に申請された大学を卒業したのか、申請された会社で働いていたのか、申請した資格の有無など。全世界的なネットワークを駆使して調査し、経歴データの詐称が行われていないことを保証するサービスです」(リサーチ会社幹部)

大学の学位に関して言えば、昔から『ディプロマ・ミル』の問題がある。これは、実際に就学をせずとも、金銭と引き換えに、高等教育の“学位”を授与すると称する機関・組織・団体・非認定大学のことだ。

「日本国内の経歴を追跡するならまだしも、海外での経歴となると、企業や政府のスタッフは確認を取るのも一苦労です。当該国の言語でその国の機関に問い合わせるのは手間の掛かり、卒業証書や成績証明書のフォーマットも見慣れていないから、先方にこれだと指定されれば信じてしまう。つまり、国際間の経歴詐称は“やり放題”と言っても過言ではありません」(同・幹部)

詐称とまではいかなくとも、これまでの日本においても経歴を“盛る”ことは多く見られた。例えば、成功を収めたプロジェクトに携わった経歴を申請されても、時期によって申請者の経験値は違う。まして外国の聞いたこともないようなプロジェクトの話なら、いくら成果を大げさに記載されても全く分からない。調べるにも時間と労力が必要となる。

いまもなお根強い、経歴至上主義が蔓延する日本の社会。採用する側もきらびやか過ぎる経歴には、眉に唾を付けた方がよさそうだ。

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鮎太朗パパ / PIXTA(ピクスタ)

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