落語界が「高学歴社会」になりつつある必然的な理由

| まいじつ
ai_creator / PIXTA(ピクスタ)

正月は落語家の噺を聞く機会が多い。そんな落語家たちには、定年退職の制度がない。生涯現役の高齢者比率が高まっており、東京を拠点とする落語家545名のうち、65%にあたる真打(=師匠)が352名と、完全な“逆ピラミッド”の構成になっている。

さらにもう一つ、落語家界に変化が見え始めている。高学歴者が増えているのだ。

「長い噺になると、前ふりとなる“枕”を含めて1時間にも及ぶ。そのため、まず覚えること自体がとても大変です。記憶力のよさも落語家にとっては不可欠なものです。もちろん努力は必要ですが、まず頭のよくない人間は苦労する世界でしょう」(落語評論家)

『笑点』(日本テレビ系)の大喜利で新たに司会者になった春風亭昇太の弟子、春風亭昇吉(33)は、“東大出身初の落語家”として話題となった。

「枕に時事ネタを織り交ぜ、いまや技量、人気ともナンバーワンと称されるのが、人間国宝となった柳家小三治です。彼が落語に没頭していったのは、進学校の青山高校時代でした。本人は早稲田大学志望でしたが、『東大以外は大学ではない』との持論を持つ父親に反発し、落語家を志しました。小三治本人は早大進学の夢を絶たれましたが、弟子の柳亭燕路は九州の名門、小倉高校を経て早大教育学部を卒業しています」(同・評論家)

女流落語家にも才媛が目立つ。

「燕路の弟子で小三治を大師匠と仰ぐのが、今年に真打ち昇進を控える二つ目の柳亭こみちです。こみちも有数の都立進学校、国分寺高校から早大第二文学部に進学。また、アイドル的人気を誇る林家つる子(二つ目)も群馬県指折りの進学校、高崎女子高校から中大文学部に進んでいます」(同・評論家)

落語界が女性に門戸を開いたのは、上方では1974年のこと。当時の露乃五郎に入門した露の都が最初だった。東京の落語協会の場合、1993年に三遊亭歌る多と古今亭菊千代がそろって女流初の真打に昇進している。入門年は、それぞれ1980年代初頭のことで、当時落語界は完全な男性社会だったため、女性に落語は務まらないという偏見がまかり通っていた時代だった。

まさにそんな逆境が、女流落語家の一群をたくましくしたのだろう。

 

【画像】

ai_creator / PIXTA(ピクスタ)

【

ピックアップ PR 
ランキング
総合
エンタメ