地方競馬イチの苦労人、内田利雄騎手(浦和)。常に笑顔を忘れず、ファンを大切にする姿勢もおそらく地方競馬騎手トップだろう。
取材の現場で、弱音を聞いたことがない。だからこそ「本音」を聞き出したかった。それを正直にぶつけてみたら、「苦労? ありますよ! 韓国に所属していた時の食べ物かなあ。辛いものが苦手で毎日コーンフレーク生活(笑)。ありゃ〜つらかった」と、うまくかわされてしまった。
宇都宮競馬廃止から、史上初のフリー騎手として、日本だけでなく海外でも活躍を続けた内田騎手。浦和競馬に腰を据えてからも多くの競馬場で磨いた技量と、その人柄で慕われ続けている。周りにはその苦労を微塵も感じさせないが、誰も歩んだことのない道を歩み続けることは並大抵ことではないだろう。
「あと5年、あと10年若けりゃやってるのにな〜、なんて人はよく言うでしょ。でもね、そういう人は5年後、10年後にきっと同じことを言う。よく考えてみたら、5年後、10年後のそれって『今』なんだよね」
だから、思い立ったその瞬間がチャンスなのだ。
「ためらわないで、やってみれば結構やれるもの」
そのフロンティアスピリットとバイタリティーで、先駆者として地方競馬界に新たな道を切り開いてきた。
そして、昨年11月に成し遂げた3500勝という大きな記録。これは地方競馬での記録であって、海外での100勝、中央競馬での勝利数はカウントされてない。
「ここに至るまでには関係者、馬が頑張ってくれたおかげですからね、騎手冥利に尽きます」
関係者、馬、そしてファンあっての自分。それは様々な時に支えとなった。
「よく『通過点』という人もいるけれど、僕の中ではある意味『ゴール』だと思っているんですよ。もう年齢も年齢だからね」
デビューから、一度も歩みを止めなかった。
「誰でもいつか止まらなくちゃいけないでしょ」
もちろんぴたりと歩みを止めるわけではない。3500勝という節目を迎えて、「自分のペースでゆっくりじっくり。お客さんに喜んでいただくためにも、まだまだ頑張らないとね」
困難に負けずに前進し続けてきた内田騎手だからこそ、多くの競馬ファンを虜にするのだろう。その生き方は、「自分らしく」生きることの大切さを、我々に教えてくれる。
「誰でも可能性を秘めている。それを信じること」
おなじみの流し目と共に、苦労と信念で磨かれた手綱さばきを、今後も期待したい。
わくわく地方競馬 スペシャルインタビュー:内田利雄騎手(浦和競馬)
2017.01.20 16:00
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