「文藝春秋2月号」が発売された同日午前、首相官邸で安倍晋三総理(62)と小池氏の会談が約5カ月ぶりに行われた。
その冒頭で小池氏は、東京五輪のエンブレムバッジを安倍総理のスーツの胸元につけ、友好ムードを報道陣に見せつける。20分ほどの会談では、東京五輪での連携や都議選の話題も出て、意見交換をしたという。
会談後、満足そうな表情だった小池氏とは反対に、安倍総理はご機嫌斜めの様子。政治部記者は振り返る。
「小池さんからエンブレムバッジをつけられた時、ムッとした表情をしていました。この日の午後に安倍総理の関連取材が2件あったのですが、2件目の時にはバッジを外していたんです。五輪で都と連携するならそのままつけても問題ないはずですが、小池さんの和やかムードの演出をおもしろく思っていなかったようです」
その日の夕方、二階氏は官邸記者の囲み取材でこう話していたという。
二階氏「今日の対談はどうだった?」
記者「(小池氏から離党発言もなく)肩透かしに終わりました」
二階氏「そうやろ、そうやろ。(官邸に)宣戦布告に来るわけないでしょ。あんた(=小池氏)も自民党員なんだから、あんまり生意気なこと言いなさんな」
と、本人に伝わることを意識したかのように、警鐘を鳴らした。また連日小池氏を取り上げるマスコミについても二階氏は、
「都議会は要するに、県議会と同じでそれ以上でもそれ以下でもない。マスコミがあれこれ持ち上げるからいけないんだ。これ以上つけあがらせるな」
と記者たちをニラむように一喝したのだった。ところが最後には「これ以上、(小池氏に関して)発言するのはやめる」と漏らした二階氏。一連の真意を官邸記者はこう話す。
「あまり過剰な発言を続けると、五輪組織委員会の森喜朗会長(79)のように小池氏から対立構造を作られ、悪者にされてしまうのを警戒したのでしょう」
都議会自民党だけではなく、党本部を敵に回した小池氏。離党も時間の問題と思いきや、「それはない」と自民党関係者は断言する。