視聴率ダウンも納得?木村拓哉の限界が見えてきた「A LIFE」の第4話

TBS「A LIFE~愛しき人~」公式サイトより

 木村拓哉(44)主演のドラマ「A LIFE~愛しき人~」第4話が5日に放送され、平均視聴率は前回より1.6ポイント下がって12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。

 第3話は、沖田一光(木村拓哉)がオペナースの柴田由紀(木村文乃)に勢いで言ってしまった一言が意外に真実を突いていたおかげで、柴田はナースとしての誇りを取り戻したという、単純に言うとただそれだけのお話。ドラマとしてのおもしろさはあった一方で、これって医療ドラマかなあという疑問が。でも、あらためて公式サイトを見て納得です。「A LIFE」は医療ドラマではなく、「ヒューマンラブストーリー」です。なんやねんそれ。

 今回、沖田も認める優秀なオペナースとして登場していた柴田が実は医者の娘で、患者に訴えられたことで家が経済的に苦しくなり、医者の道を断念して奨学金をもらいつつ看護学校に通ってナースになったという過去が明かされました。だからこそ医療の知識があって誰よりも仕事ができ、そして医者の息子を毛嫌いしていたという種明かしもおもしろいと思います。これまで出番は少ないながらも強い印象を残していた木村文乃のいろんな表情が堪能できたという意味でもサービス回でした。

 それだけに、主人公の一言で長年の悩みが解決したという脚本はちょっと浅すぎかと。主人公の一言も含め、同時期に経験したいろんな出来事や周囲の人たちの言葉で次第に気付く……というストーリーならわかるんですけどね。まあ、あの病院には何か役立つ言葉をかけてくれそうなスタッフもいませんし、結局そういう役回りが全部木村拓哉に集中してくるので、ストーリーに厚みが欠けてしまうという部分はありそうです。

 第4話であまりにも気になったのが、菜々緒演じる顧問弁護士の出しゃばりっぷり。ナースの柴田には「あなたのしたことで病院の提携話がなくなりかけているんですよ。何も責任を感じないんですか」と詰め寄り、あろうことか副院長の妻である壇上深冬(竹内結子)には「何もわかってないのにじゃましないでください」と吐き捨てる始末。

 この弁護士にはそのほか、専属弁護士でもないのに病院に入りびたりすぎ問題、もはや弁護士じゃなくて経営コンサルタントになっている問題など、幾つかの疑問点があります。次回予告では「わたしはあなたのなんなんですか!」と副院長(浅野忠信)にわめきたてていますが、まさに「お前が言う?」状態。これほど視聴者にヘイトを振りまいているからには、壇上壮大(浅野忠信)とともに何かしらの天罰が下るのかもしれませんが、その時病院はどうなってしまうのでしょうか。

 あまりにも先出ししすぎたせいで不自然に引っ張ってきた、深冬の脳腫瘍もようやく第4話のラストで進展。毎回、いつ倒れるんだろう、手術中に倒れるとかいうベタな展開はあるんだろうか、てか脳腫瘍がわかってて手術させちゃダメでしょ、とかいろいろなツッコミがなされてきましたが、それも今回で終わり。その反面、壮大は本当に純粋に深冬を愛しているのか、院長の娘だから自分の立場上死なれては困るのかという新たな疑問が湧いてきました。次回も浅野忠信の顔芸に期待しましょう。

文・中島千代

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