米中「貿易戦争」が引き起こす第3次世界大戦という最悪のシナリオ

| 週刊実話

 「ベリー ベリー ベリー グッド ケミストリー(抜群の相性だ!)」とまで言い、握手嫌いにもかかわらず19秒間という異例の長さで自ら手を差し伸べた米トランプ大統領。なぜ、ここまで安倍首相を厚遇するのだろうか。「安全保障」と「経済」を密接に絡ませ合ったパートナーシップが確立し、中国つぶしで一致したからなのか…。

 トランプ政権が対中国強硬策にかじを切るのは、閣僚の顔ぶれを見れば明らかだ。新設された国家通商会議の代表には、ピーター・ナバロ氏が起用された。同氏は『中国による死』などの著作で知られる筋金入りの親台湾反中国派だ。また通商代表部代表に起用されたロバート・ライトハイザー氏も、中国製鉄鋼材のダンピング(不当廉売)輸出を批判するなど対中強硬派として知られる。今後、トランプ政権の通商戦略はこの両氏が司令塔となって進められることから、米国が中国つぶしに取り掛かることは必然的な流れだろう。
 「他にも政権内部にはカルテルやトラスト、コンツェルンという独占活動を規制する反トラスト法の専門家が多く入っており、すでに中国企業のM&A(合併・買収)が頓挫するケースが増えています」(在米日本人ジャーナリスト)

 在米華人は約450万人、このうち220万人が有権者だ。祖国からの不法移民の急増で、彼ら正統な移民が就労の機会を奪われており、こうしたことからこれまでの民主党支持を捨て、トランプを支持した。しかし、中国と米国の対立構造が顕著になると、彼らの立ち位置は微妙になる。
 「台湾を中国の一部と見なす『一つの中国』の見直しを表明するなど、トランプは各方面から中国を揺さぶっています。2月9日に習近平国家主席と電話会談を行い、この原則を尊重するとは言ったようですが、昨年末に駐中国大使に任命したブランスタド・アイオワ州知事の顔を立てたにすぎません。同氏は習主席と親交があり、『旧友』と呼ぶくらいの仲ですからね」(同)

 一方、中国の内憂は何と言っても経済の衰退だ。1月13日、中国税関当局は2016年の貿易統計を発表したが、輸出額は前年比7.7%減、つまりこれまで中国の高度成長を支えてきた「輸出」という柱が大きく棄損しているのだ。

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