ネット販売も…「排卵日検査薬」は妊娠期待より避妊目的の本末転倒

| 週刊実話

 何と言っても人と顔を合わせずに買えるというのが大きい。購入時に店員らと対面する必要がないネット販売がスタートしたことで、ある販売サイトでは売れ筋トップ10入りしたり、別のサイトでは一時入荷待ち状態にもなっている。
 武田薬品工業の『ハイテスターH』とロート製薬の『ドゥーテストLHa』という、女性が妊娠しやすいとされる排卵日の予測検査薬が、昨年末から発売されている。ともに規制緩和によりOTC医薬品(第1類医薬品)となり、ドラッグストアや一部ネット通販でも購入できるようになったが、これを懸念する声も出始めているという。

 そもそもこれらの検査薬は、どのようなものなのか。
 「排卵が起きる前にはLH(黄体形成ホルモン)が一気に分泌され、36時間以内に排卵が行われる。つまりこのLHが急激に出る日が分かれば、事前に排卵日が予測でき、妊娠しやすい日も分かるようになるのです。同薬はこのLHの濃度を尿から測定することで、急激な分泌の感知を可能にし、最も妊娠しやすい日が分かるという仕組みです」(医療ライター)

 しかし、ここで心配なことが出る。最も妊娠しやすい時期が分かるならば、逆に避妊できる時期も分かるわけだ。ということは…。
 「そうなんです。一部販売サイトは同薬を“学割対象”にしている通り、避妊時期の割り出しでの使用をにおわせている。妊娠したい学生がいるはずはありませんからね。つまりはナマ挿入の性交には便利ということですから、女子高生らの間に性病を蔓延させる危険性があるのです」(健康ライター)
 そのためOTC化に先立つ一昨年末、日本産婦人科医会は、「精度の点で『本検査が陰性だから妊娠しない』ということはないことに留意すべき」と警告していた。さらに両社もパッケージに、「避妊の目的では使用できません」としっかり記している。

 女性にとってこの検査薬は、利便性と危険性を同時に秘めている諸刃の剣とも言える。あくまで避妊の目的では使用できないことを知っておくべきだ。LHが少量であっても、妊娠の可能性を完全には否定できないからだ。
 「しかし、日本の女子高生の性病罹患率は、ただでさえ高い。日本性教育協会の2012年の調査によれば、約3000名の女子高生をサンプルに調査を行ったところ、自覚症状がなく、気が付かない無症候クラミジアの感染者が13.1%もいた。これに拍車をかける結果とならなければいいのですが」(同)

 一年中、セックスが可能な人間には大変にありがたい検査薬が出てきたことには違いない。幸か不幸か、科学は生殖器の操作にまで及んできている。本末転倒にならないように、しっかり理解して使用していただきたい。

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