昭和の子供たちがゲテモノを通して学んだこととは?

| まいじつ
昭和の子供たちがゲテモノを通して学んだこととは?

「元祖クールジャパン」再検証 ~ファイル6【ゲテモノ当て】~

3月5日は『啓蟄』です。大地が温まり、冬眠をしていた虫やらカエルやらヘビやらがわらわらと出てくる、とされている日です。一般的には“気持ち悪い”と忌み嫌われている彼ら“ゲテモノ”たちが活躍したのは、昭和のちびっこたちのイタズラグッズとしてでした。

彼らは全国の駄菓子屋という駄菓子屋にいつもひっそりと潜んでいたのです。薄暗い店に入ると写真のような『ゲテモノ当て』がド~ンと目に飛び込んできて、「うひゃ~っ!!」て気分になったもんです。

4つしかない特等は、でっかいヘビやワニ。これが欲しくて何回もクジを引くんですが、当たるのは小さいゲジゲジばかり。お小遣いを散財した揚げ句にやっとこさ特等が当たったときは踊らんばかりに喜びました。田舎のリアルな採集とは違いますが、それなりに動物を捕獲したかのような気分を味わったものです。

ゲットしたゲテモノはポケットに忍ばせておいて、クラスの女の子に「ホラッ!」なんて得意げに見せて驚かせ、悦に入っておりました。

いま思うと、これって大人になるための一種の“通過儀礼”だったんじゃないかと思います。オレは怖いヘビを捕まえた一人前の大人だぞ、ということを女の子にアピールしてたんじゃないかな。

子供というものは、こういった一見しょうもない体験を通してだんだん大人になっていくものだと思うのですが、駄菓子屋さんがどんどん減り、ゲテモノが手に入りづらくなっているのは何とも寂しい限りです。

(写真・文/おおこしたかのぶ)

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