北川悦吏子が脚本を?NHK朝ドラ『半分、青い。』が放送前から物議に

北川悦吏子が脚本を?『半分、青い。』が放送前から物議に(NHK本部センター)

 一世を風靡した作家の復活劇となるのか。脚本家・北川悦吏子(55)が2月22日、来春にスタートするNHKの2018年前期連続テレビ小説『半分、青い。』の脚本を務めることが発表された。オリジナルストーリーを提供するという北川悦吏子はヤル気十分だが、視聴者の間では北川悦吏子の起用をめぐって賛否両論となっている。

■オリジナルドラマなのに早速ネタバレ

 かつて『あすなろ白書』(フジテレビ系)や『ロングバケーション』(フジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)を生み出した大作家・北川。今回はNHKに自ら企画を持ち込み、第98作目の朝ドラの仕事をゲットした。

 22日の会見に出席した北川は、自身の左耳の聴力を失ったこと、そして本作のイメージを4、5年前から少しずつ固めていったことなどを告白。「野心というか、創作魂に火がつきました」「自分の人生をもう一度生き直すような気持ちで書いている」と意欲タップリに答えた。

 ただ不安もある。オリジナルストーリーながら、NHKはすでにストーリー内容を発表。高度成長期の終わりに、岐阜県のとある町に生まれた左の耳が聞こえないヒロインの『鈴愛(すずめ)』が、漫画家を目指して上京するも挫折し、結婚・離婚などを経験しながらも失敗を恐れずに明るく生き、後にモノづくりの世界にのめり込んで一大発明を成し遂げるという。すでにネタバレの要素がかなり多い。

「直近の話で言うと、昨年末の『NHK紅白歌合戦』はリハーサル内容が事細かに報道され、本番の放送がまさしくその通りの流れで展開されて興醒めとなった。紅白はまだしも、今回はオリジナルストーリーで、全156話構成で展開する。話の分かっている物語ほどつまらないものはないが、NHKは今までの朝ドラの実績を鑑みて、ネタバレしてもなお視聴者を引きつける自信があるということなのだろうか」(芸能関係者)

 SNSやネット掲示板などでは、もう一つの問題も取り沙汰されている。“旬を過ぎた”北川の起用に意見が割れているのだ。「時代おくれ」「昔は好きな脚本家だったけど、あの青春キラキラ感が時代に合うのかどうか」「(タイトル名が)ダサいネーミング」「観てるのは年寄りが多いから、古くてちょうどいいのかも」と賛否両論だ。

 たしかに北川は、定期的に脚本を手がけているものの2000年初期の『空から降る一億の星』(フジテレビ系)や『オレンジデイズ』(TBS系)以降、人気が尻すぼみ。ヒット作に恵まれていない。

「朝ドラの視聴者は主婦や高齢者が多い。夜のゴールデン帯より視聴者の年齢層が高くなりやすい。過去に北川のドラマを楽しんだ世代が引っかかってくるため、高齢者に合わせた起用という意味では納得できる。また朝ドラが近年、視聴率の高さゆえに話題になって若い世代にも認知されている。そのため若いネット民とNHKの制作サイドの間に考えのギャップが出ているのでは。一方、会見のコメントを読むかぎり北川が自分に酔っている感も否めない。一人よがりな作品にならなければいいが」(前出・芸能関係者)

 多くの良作と数々の役者を生み出してきたNHKの朝ドラ。はたして北川脚本は視聴者に受け入れられるのか。それとも改めて“時代遅れ”の烙印を押されることになるのだろうか。旬を過ぎたセンスの是非やいかに。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)
※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。
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