北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹が、2月26日に春季キャンプをチーム最多の76球の投げ込みで締めくくった。
「栗山英樹監督が、斎藤を開幕投手に指名する可能性は、むしろ高いと思います。斎藤の散り際というか、けじめをつけさせる意味でも」(球界関係者)
日ハムのエースである大谷翔平は、右足首の怪我で調整が大幅に遅れている。今年から先発投手に転向したベテランの増井浩俊はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ送り出した。しかし、他に先発投手がいないわけではない。昨年のローテーション投手の有原航平、昨季新人王の高梨裕稔もいる。だが、栗山監督はこれまで、選手を信じる采配に徹してきた。斎藤が昨年のオフに厳しいトレーニングを積み重ねて、肉体改造に挑戦したきたことは周囲も認めている。だからこそ、栗山監督が斎藤に相応しい場面を与えるというのだ。
「開幕投手の大役を与えれば、たとえそこで結果が出なくても、斎藤の気持ちにも踏ん切りが付くでしょう」(同・関係者)
斎藤はプロ2年目の2012年に開幕投手を務めている。その際は、地元の北海道のテレビ視聴率は31.6%を記録し、その道内記録はいまも破られていない。前年に日本一になったチームが“話題性のあるスタート”を切るには、斎藤を開幕投手にするということも間違ってはいない。
「斎藤はキャンプ中から低めに変化球を集める投球を意識しています。しかし、真っ直ぐが速くないので、対戦打者は打ちにくいと思わないのです」(スポーツ紙記者)
そのせいか、対外試合初登板となった2月21日に斎藤は、2回を投げて7被安打、5失点と打ち込まれている。この内容では、先発ローテーション入りできるまでに仕上げてこられるようには思えない。だが、斎藤を開幕投手にすればメリットがあるという。
「今年は3月にWBCが開催されるため、プロ野球の開幕が例年よりも数日遅くなっています。そのため、本来であれば4月は余裕のある日程になっていますが、開幕1週間後から6連戦が2回続くのです。この変則日程で他先発投手に負担を与えないため、開幕から日程がタイトなあいだはしばらく斎藤に投げさせるという方法もあります」(ベテラン記者)
ゴールデンウィークが終わるまでが勝負になりそうだ。
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