雑な脚本に視聴者離れが加速?柴咲コウ「おんな城主 直虎」第9回は14.0%

「おんな城主 直虎」NHK公式ホームページより

 柴咲コウ(35)主演のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の第9回が5日に放送され、平均視聴率は前回から0.6ポイント上昇の14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)となりました。

 第9回のサブタイトルは「桶狭間に死す」。今川軍に加わって出陣した井伊家が予想だにしなかった大敗を喫し、当主の井伊直盛(杉本哲太)以下、重臣たちがことごとく討ち死にしてしまったことが描かれました。

 真田丸の超高速関ヶ原よりは時間を割いたものの、あっという間に戦いが終わったことについてはネット上でも賛否両論が巻き起こっています。描かれたのは、突如として陣に織田勢が襲い掛かってきた場面と、直盛が自害に至る場面のみ。井伊視点のドラマであるため、戦いの全体像を描く必要がないことは理解していても、あれほど視聴者に不気味さと恐怖を与えた今川義元(春風亭昇太)の死が映像としては描写されなかったことには、「そこは描いて欲しかった」との声も多く上がっています。

 6日になって、権威の象徴である扇が踏みつけられることで権威の失墜を表現した、とのチーフ・プロデューサーの発言が報じられていますが、制作側の意図を聞いて初めて「そう言うならまあわかった」みたいに納得しなきゃいけない作品ってどうなんだろうと思いますが。

「直盛や奥山(でんでん)の行動がよくわからない」という感想を持った人も少なくなかったよう。直盛については、それほど敵に取り囲まれているようにも見えなければ、瀕死の重傷を負ったわけでもないのに「自分の首を持って織田勢のふりをして逃げろ」と自害してしまったのがなかなかの謎。今まで影の薄かった中野直由(筧利夫)に「後を頼む」との遺言を残していたのがさらに謎。

 奥山は、小野政次(高橋一生)に対して急に疑い深くなったあげく、何の策もなしに暗殺しようとして返り討ちにされたのがまったくの違和感。すべて文献に残っていることなので仕方がないと言えば仕方ないわけですが、視聴者としては誰もが「なんで?」と思うような歴史上の違和感を独自の解釈でドラマとして見せてくれることを期待したいわけです。

 毎度毎度比較されてかわいそうとは思いますが、その点上手だったのが「真田丸」。歴史上の謎である「豊臣秀次切腹事件」について、疑心暗鬼になるあまりに自身の感情に押しつぶされてしまった悲劇の人として秀次を描き出した新解釈が大きな反響を呼びました。同じように、直盛はなぜ中野を後見人に指名したのか、奥山はなぜあんなに政次に強硬な態度を取ったのか。その辺りがこれまでの回で説明されていれば、もっと話がおもしろくなったに違いありません。主人公が政治や戦に直接関与しないという制約の中で、ここまでそれなりにおもしろいドラマを繰り広げてきただけに、本筋とも言える井伊家の政治的な事情については、もう少し脚本を練り込んでほしいものです。

 第9話は、寺に逃げ込んできた政次が「奥山殿を斬ってしまった」と次郎法師(柴咲コウ)に告げたシーンでエンディング。どうも次回に向けての引きが弱い気がします。桶狭間で不満を持った視聴者も一定数はいるはずなので、次回以降の視聴率が少し心配ですが……。

文・中島千代

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