WBC豪戦殊勲打の中田翔「繊細さ」を見抜いた小久保監督の起用

| まいじつ
SantaPa / PIXTA(ピクスタ)

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第2戦で、日本代表『侍ジャパン』はオーストラリアと対戦し、勝利を収めた。

1対1で迎えた七回表の日本の攻撃で、勝ち越し本塁打を放ったのが、北海道日本ハムファイターズの四番打者の中田翔だった。

前回大会には23歳で参加し、当時の野手最年少だった。しかし、今回は責任を担う立場になった。2014年から3年連続で100打点以上を挙げ、今大会でも最も期待できる打者に成長した。

「性格は見た目同様に豪快で、見栄もあると思うが、財布にはいつも札束が入っていて、食事に出掛けるときは絶対に相手に払わせません」(スポーツ紙記者)

その一方で、野球に関しては、私生活と正反対にナーバスな一面も見せている。

中田にプレーしやすい環境を用意した小久保監督

侍ジャパンの四番打者候補と報じられてきた。小久保裕紀監督はこの中田と、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智を競わせるような言い方をしてきた。だが、実際は違った。

「中田は楽な打順で打たせれば必ず結果を出すというのが、小久保監督の見解でした」(関係者)

昨年の11月に行われた侍ジャパン強化試合の全4試合で、中田は四番打者を務めた。しかし、打率1割8分2厘と低迷。しかし、一昨年秋に開催されたプレミア12では、六番打者と五番打者で好結果を残していた。そんな代表での打撃成績が小久保監督をひそかに決断させたようだ。

「冬の自主トレと、春季キャンプでは自分が納得するまでバットを振り続けていました。飛距離にこだわるというか、遠くに飛ばすことを意識し、飛距離を確かめながらフルスイングしていました」(前出・記者)

中田はいかつい体格に強面であるが、野手最年少だった前大会では借りてきた猫のようにおとなしかったという。新人や若手時代もそうだった。先輩選手の前ではひと言も発せず、自信なさげにすることもあったという。しかし、チームで主力打者に成長し、気っぷのいい本来の性格も見せるようになった。

「今大会の打撃コーチは、日本ハムで兄のように慕っていた稲葉篤紀コーチがいます。中田にとってやりやすい環境になっています」(前出・関係者)

精細な一面を配慮した小久保監督の考えが当たり、四番筒香・五番中田の打順が結果を出しつつある。2試合連続で本塁打の筒香と、早い段階で一発が出た中田が、これからも打線を牽引していくだろう。

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