各選手が「WBCの制約」を抱えるなかで名采配を見せたアメリカ

| まいじつ
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2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝ラウンドでアメリカは野球日本代表『侍ジャパン』を2-1で下し、決勝へと駒を進めた。

アメリカのジム・リーランド監督がこの準決勝を前に、昨季ピッツバーグ・パイレーツとワシントン・ナショナルズで活躍した投手のマランソンを追加招集した。マランソンは昨季47セーブを挙げている。日本のメディアは《侍ジャパンにまた強敵が現れた》とネガティブに捉えていたが、アメリカのメディアの見方は少し違った。

「リーランド監督はアメリカのメディアから『また制約が増えたんでしょ?』と冷やかし半分の質問を受けていました」(米国人ライター)

アメリカ代表で攻守にわたって活躍しているアダム・ジョーンズを筆頭に、日本戦で守備に付いた野手は全員がゴールドグラブ賞の受賞経験者だ。さらに、指名打者にはアメリカのプロスポーツ史上最高契約となる“13年390億円”という大型契約を結んだスタントンがいた。

各選手に課せられていた「契約」

「今回、アメリカ代表に招集された選手は所属球団とのあいだには“契約”が取り交わされているのです。リリーフ投手はイニングをまたいで投球させない、スタメンの捕手は別々の選手を交互に使うといった制約です。なかには代打を送られるのを禁じていた選手もいます」(同・ライター)

こうした制約だらけのなかで勝ち上がってきただけに、「マランソンの招集はリーランド監督が自らの首を締める結果になる」という見解がされていたのだ。当たり前だが、日本プロ野球の12球団は小久保采配に制約を課していない。

イニング跨ぎはやらない、一度肩を作ったらその時点で登板させるといった、リリーフ投手の制約があるなかで、苦しいながらも継投を成功させ、リーランド監督は逃げ切ってみせた。試合前には、日本の堅実な守備力を称賛し、「ミスが出たほうが負けると思う」と自分たちへの戒めとして語っていたが、その言葉は侍ジャパンに当てはまってしまった。

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