腹心、二階堂進の反乱を抑えた田中角栄には、踵を接するように次の難題が忍び寄っていた。田中派のもう1人の幹部、竹下登の反乱であった。二階堂の反乱が、その引き金になった形でもあったのだった。
昭和60年1月、竹下を中心に、小沢一郎、梶山静六、羽田孜、あるいは竹下を先輩とする早稲田大学出身の小渕恵三、渡部恒三ら時の中堅、若手グループが、田中派内に勉強会とした「創政会」を立ち上げた。
背景には、まず最大派閥であるにもかかわらず、田中いわくの「駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまたワラジを作る人」で、田中に世論のバッシングがあることから田中派から総裁候補を出せず、他派閥の同期が次々と大臣ポストを得る一方で“遠慮”をせざる得ないという不満が大きかった。田中が前面に出られぬなら、新しいリーダーのもとで田中派の実質的な再興を目指すべきだとの思いも重なったのである。
また、田中の信頼厚い後藤田正晴が中曽根内閣で官房長官になって以来、中曽根内閣を支え5年にわたって常に陽の当たるポストに就いていたこともあった。いくら「親分」の意向であるにせよ、中堅、若手のやっかみが少なくなかったということだった。しかし、田中は耳に届くこうした不満を一喝、全く相手にせず言ったものだ。「彼らは生意気なことを言うが、勉強が足りない。後藤田は役所をきっちり押さえているが、彼らが10人集まったって後藤田1人にかなうものか」
さて、この「創政会」設立に対し、当初、田中は「勉強会、大いに結構。ただし、“早稲田グループ”に偏ってはいかんよ。幅広くやれ」などと竹下に注意、余裕のあるところを見せていたが、やがてその判断が甘かったことが分かる。2月7日、先の議員などを含め田中派議員40名が正式に「創政会」発会式を執り行ったことで「派中派」として名乗りを上げたのと同然とし、田中は態度を一変させて激怒、直ちに田中支持グループに命じて切り崩し工作を開始したのであった。ロッキード裁判で無実を晴らし、できるなら首相復帰との野望も抱く田中にとって、派閥を割る行為は何としてでもつぶさなければならなかったということだった。
このころの田中は、子飼いの面々に裏切られたの思いから大荒れに荒れ、ウイスキーのピッチはいやが上にも早まった。
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第65回
2017.04.21 10:00
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