半沢直樹の浅野支店長役・石丸幹二が見せる「本職の魅力」

| まいじつ
半沢直樹の浅野支店長役・石丸幹二が見せる「本職の魅力」

2013年の大ヒットドラマ『半沢直樹』をきっかけに、石丸幹二を知ったという人も多いのではないだろうか。半沢の敵役の浅野支店長役を好演し、震えながらした土下座は、同ドラマの名シーンのひとつと言っていい。

そんな石丸は、端正なマスクも相まって、一躍お茶の間に知られ、半沢直樹後はテレビで見かける機会が増えていった。彼はもともと劇団四季出身の舞台俳優だ。

東京音楽大学音楽学部器楽科でサックスを専攻するが3年時に中退。1987年に東京芸術大学音楽学部声楽科に入学し、在学中に劇団四季『オペラ座の怪人』のラウル・シャニュイ子爵役で初舞台を踏む。劇団四季には17年在籍し、甘いルックスと、芸大で鍛えたテノールを生かし、看板俳優のひとりとして数々の重要な役どころ、もっぱら貴公子や王子などといった二枚目役を演じてきた。半沢直樹で知名度をあげた石丸だが、演劇ファンにとっても悪徳上司役は新鮮だったのだ。

現在は映像、舞台問わず、幅広いフィールドで活躍している石丸が、ミュージカル『パレード』に出演する。20世紀初頭、人種差別が色濃く残るアメリカ南部アトランタで、実際にあった冤罪事件をテーマにした同作は、今回が日本初公演。石丸は同作の主役である、白人少女強姦殺人事件の容疑者にされたユダヤ人のフランク役を演じる。

歌も演技も得意な石丸だが…

オリジナル版は、演劇界のアカデミー賞といわれるトニー賞で2部門を獲得。脚本をピューリッツァー賞受賞作家のアルフレッド・ウーリーが手掛けた。今回の日本版は、読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した森新太郎が演出を務め、キャストにはミュージカル界屈指の歌唱力を持つ面々が名を連ねる。豊かな個性と演技力で多彩に活躍している岡本健一、武田真治もキャスティングされており、決してわくわく楽しいミュージカルではないが、クオリティーが高いものになることは間違いない。石丸のホームグランドともいえるミュージカルというフィールドで、自慢の歌唱力を堪能できる格好の機会だ。

もう一つ見どころを挙げるとすれば、石丸の“ダンス力”である。芸大出身で劇団四季に入団するまで、ダンス経験がほぼ皆無だった石丸は、踊りよりも歌をメインとする作品や役どころを担うことが多かった。要するにダンスが得意ではなかったのだ。しかし、このパレードには、少なからずダンスシーンもあるようだ。

製作発表で、劇団時代の同期であり、同作で妻役を務める女優の堀内敬子が、石丸について「(劇団時代よりも)振り覚えが早くなり、ターンが速くなった」と語っている。そんなわけで、上達したという踊りっぷりも気になるところである。

ミュージカル『パレード』は、5月18日(木)から6月4日(日)まで、東京芸術劇場プレイハウスにて上演される。

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