以前歯医者さんでレントゲンを撮ってもらったことがありました。見てみると頭部全体が映っています。自分のものと分かっていても頭蓋骨を見るとぎょっとするものです。ところで日本人は遺骨や遺体を大切にする国民だと思います。先の大戦の遺骨を収集する事業は、昭和27年から始まり現在も続いていますし、東日本大震災で被災された方の遺体捜索もまだ続いています。遺骨が戻って丁重に家族の墓に祀られ、そこで初めてその方の魂も安らぐことができると信じられています。そして頭蓋骨はその象徴のように思え、特別な感慨を感じるのでしょう。
■遺骨で仏様を作るという埋葬
このように魂の宿った遺骨を守り、それを収めた墓を大切にして代々受け継いでいくのが日本人として当然だと思っていたのですが、ある時テレビで衝撃的なものを見ました。遺骨で作った仏様です。
場所は大阪市天王寺区にある「一心寺」という寺院です。法然上人開基による浄土宗の由緒正しいお寺です。骨で作った仏様「骨仏」はなんと明治23年に最初に作られたとのこと。それから10年ごとに開眼したのですが戦前のものは戦災で焼失したとのこと。昭和23年、戦前の焼け残った遺骨と戦後に納骨されたお骨で一体が造立され、その後数万体の遺骨で一体ずつ造立、現在は7体あり今年の夏にまた一体完成するとのことです。
■利用者の中には、火葬後すぐに直行してきた方もいるとのこと
仏様としてお祀りされるのですからこれ以上の供養はないと思うのですが、祖先を祭る伝統を重んじていた歴史を考えると、砕いてほかの方々と混じってしまってもご家族にさみしさや悔いはないのだろうかとつい考えてしまいます。
ただお寺の方のお話として『以前は家族の墓に祀ったほかに、参りやすいこちらにも供養のためにお骨をお持ちになった』とのことでした。ただ近頃は『火葬後すぐに直行したと思われるケースが散見され、祀り方が変わってきたと思われる』のだそうです。
■自然に還る葬送がブームになっているということは…
近頃「散骨」や「樹木葬」のように自然に還る葬送がブームとなっています。しかしこの一心寺の事例を見るとこのブームは本当に自然に戻りたがっているだけなのかと考えてしまいます。家族の絆、祖先とのつながり、人間同士の関係性が希薄になっているためなのではないかと心配になるのです。
現在はいろいろな埋葬の形を選ぶことができます。様々なうたい文句は大変心惹かれるものもあるでしょう。しかし様々な形で見送れるこの時代だからこそ、自分にとってそして家族のためにも最善の葬送の形が何か考えなければなりません。現代とは生きているときから死後を考慮し選択しなければならない、本当の知恵が必要な時代なのだと思います。
参考文献:無葬社会、
自然に還る葬送がブームになっていることに対して感じるちょっとした違和感
2017.05.11 19:00
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心に残る家族葬
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