80代からが人生の黄金期だ「毒蝮三太夫」(3)「有用感」を持たせる努力を…

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80代からが人生の黄金期だ「毒蝮三太夫」(3)「有用感」を持たせる努力を…

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 マムシさんも69歳だった05年、腸閉塞で入院し40日間の闘病生活を経験。健康の大切さを痛感したという。

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 あの時は、おなかにしこりがあるのはわかっていたんだけど、無理して仕事をしたり、食事をしたりしちゃったんだ。お医者さんからは「あと1週間遅れていたら死んでたよ」って言われた。定期的な検査は必要だなと実感したね。

 入院した時はもちろんだけど、病院に行ったらお医者さんや看護師さんから愛される、素直な患者になることも大事だよ。そのほうが、助けようと思ってもらえるから(笑)。

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 1999年からは、大学の客員教授として教壇に立っている。教えているのは「福祉コミュニケーション論」。長年、高齢者と接してきた経験を、孫以上に年の離れた学生たちに伝えている。彼らの多くは核家族で、高齢者が身近にいない環境で育ってきた。それゆえに、老人たちとのコミュニケーションも一から学ばねばならない。

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 自分が世の中の役に立っているということを、年寄り自身にわかってもらうことが大事なんだ。年寄りっていうのは知識や経験の塊。だから「あなたたちは社会の役に立つんですよ」ということを知らせたい。80歳なら80年の歴史を持っているわけだからね。技術や経験や知識を若い連中に教えてやれるんだ。そうやって元気になってもらえれば、医療費だって減らしていけるんですよ。

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 長年、高齢者を元気にし続ける毒舌パワーが評価され、近年は「介護」や「福祉」の専門家として講演などにも引っ張りだこ。レギュラーを務めるNHK Eテレの「ハートネットTV 介護百人一首」は、今年で13年目を迎えた。

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 介護はね、ただ世話をするだけじゃなくて、寝たきりにならないよう、自分で歩く意欲を持ってもらうことが大事なんだ。それから、さっき話した「有用感」を持ってもらうことが、お年寄りを元気にする秘訣。俺は医者じゃないから治療したり薬を出したりはできないけど、言葉で元気づけることはできる。「あなたは社会に貢献しているんですよ。必要とされているんですよ」って。年寄りっていうのは、かまわれることで元気になる。

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