沢尻エリカ『母になる』小池栄子メイン回で1.2%増の皮肉な結果に

母になる|日本テレビ公式サイトより

 沢尻エリカ(31)が主演を務める「母になる」(日本テレビ系)第6話が17日に放送され、平均視聴率9.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)となり、前回より1.2ポイント増となった。

 麻子(小池栄子)はなぜ殺人未遂容疑で刑に服することになったのか…。それは、麻子に付きまとっていた男性から広(道枝駿佑:関西ジャニーズJr.)を守るためだった。しかし、今回明かされた麻子の過去はこれだけではない。幸せだったOL時代から転落するまでの人生が回想されており、沢尻エリカに代わって小池がメインとなっていた。様々な麻子の顔を演じ分けており、演技力だけは一応評価されている沢尻だが、小池がそれを食ったような形に。まさに、主役交代と言っても過言ではない怪演ぶりだった。

 そんな中、突然出てきたのが麻子の母だ。実際には、ナレーションのような形で登場するだけなのだが、話している内容が恐ろしく怖い。はじめのうちは、娘の結婚に期待を持ち、孫を抱くことを夢見ているという雰囲気だったが、なかなか結婚しない麻子に対して自分の価値観を強く押し付けてくる。穏やかな声なのだが、「女性には出産できるタイムリミットがあるのよ。」「早く!急いで!!」と麻子にプレッシャーをかけてくるのだ。

 さらには「女性として生きているからには、一度は産まなきゃ。」と、とどめの一言。これはいくらドラマの中とはいえ、問題に発展しそうなフレーズだ。“女性として” “一度は”ということは、つまり「一度も子供を産んだことがない女は、女とは認めない。」と言っているようなものだろう。会社の同僚からも、「子どもはいた方がいいわよ。」とか「産まないと分からないわよ。」なんて言われていたが、これはれっきとしたモラハラだ。ちなみに、結婚していない女性に対して「まだ結婚しないの?」と言うような場合はマリハラというらしい。

 実際、麻子のように自分の親や周囲の人間、義理の親から「妊娠」についてしつこく迫られている人はかなりいるのではないだろうか。それに、しつこい人ほど「自分の意見が正しい」と思っているから困ったものだ。そのため、悪いことをしている訳でもないのに、結婚しなかったり子どもを産まない自分が悪いとでも言われているような気になってしまう。麻子がまさにそのタイプだったのだろう。最終的には母親から「麻子……、どうしてあなたはお母さんの望む人生を歩んでくれなかったの。」「あなたは何一つお母さんの望むことを叶えてくれなかったわね。」と言われてしまう。人生の全てを母親に握られていたとすると、怖い。怖すぎる……。麻子の親もまた、毒親だったのだ。

 ただ、気になるのは麻子の殺人未遂の話があっさりと終わってしまったこと。前回のエンディングでは、次週最大の見どころのような演出だったが、実際の放送では特に重要視されているポイントではなかった。広にバレるのかと思いきや、何故かスルー。それに、第6話を使いきって”麻子がいかに壮絶な人生を歩んできたのか”ということを伝えられた気がするが、殺人未遂を犯したという点以外はよくある話だ。普通なら殺人未遂だけで壮絶な人生になるはずだが、他のことを盛り込みすぎたせいで安っぽい感じになってしまった。そもそも、一番壮絶な人生を歩んでいるのは広だ。3歳で誘拐され、母親と慕っていた人とも離れ離れに。挙句の果てには施設に入れられ、現在も2人の母親の間で板挟み状態なのだから。

 これまでの中で一番面白いと感じた回ではあったが、はっきり言えば『母になる』のスピンオフのような感じ。ただ、沢尻よりも小池の方が視聴率は取れるということが明らかになった。今ごろ、ドラマさながらのバトル劇が裏で繰り広げられているのかもしれない。

文・吉本あや

●注目記事:朝の情報番組でも話題騒然!美肌に必要なあの成分が詰まった“オールインワンドリンク”

ピックアップ PR 
ランキング
総合
エンタメ