【プロ野球】空振りツーランスクイズ。サヨナラ押し出し死球。今季も健在! 石原慶幸(広島)のミラクルを振り返る

石原慶幸(広島)のミラクルを振り返る

 「スクイズ空振りで走者2人が生還」。見慣れない言葉がネットを中心に飛び交った。

 5月14日の広島対巨人の8回裏、石原慶幸(広島)の珍プレーが発端だった。

 1死二、三塁の場面で打席に立つ石原はスクイズを敢行。しかし、巨人の乾真大が投じた1球は、ワンバウンドの大暴投。必死にバットを当てにいった石原だが、空振りしてしまう。大きく逸れたボールはバックネット方面に転々……。

 結果、三塁走者の西川龍馬は悠々ホームイン。スタートを切っていた二塁走者の野間峻祥も俊足を飛ばしてホームイン。なんと、スクイズの空振りで2点を挙げたのだ。

 珍プレーにざわつくスタンドをよそに涼しい顔で打席に立つ石原。その様にファンは騒然。

「また、石原がやったか!」

「さすが石原のインチキ!」

 インターネット上のSNSなどのコメント欄はお祭り騒ぎとなった。

 というのも、このようなファンの想像を超える不思議な「ミラクルプレー」は石原の代名詞的となっているからだ。毎年、何かしらのミラクルプレーを見せているが、今シーズンの初ミラクルにファンは歓喜したわけだ。

 年々、老獪さを増す石原のミラクルプレー。その数々を紹介するとともに、石原の魅力を余すことなくお伝えしたい。

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■神秘的なサヨナラ押し出し死球

 石原が起こすミラクルな珍プレーは、劇的なサヨナラ打から、見たことのない珍事まで多種に及ぶ。

 それらを、愛を込めて「インチキ」と呼ぶファンもいるが、筆者は「石原マジック」と呼びたい。想像を超えた不思議プレーを演出しているのは石原なのだから、これは石原の「マジック」と呼んでもいいだろう。

 石原の16年のキャリアのなかで注目したいポイントがある。通算打率は.240と高い数字を残しているわけではないが、日本タイ記録となる6年連続サヨナラ打を放っているのだ。

 サヨナラの好機に打席が回ってくる巡り合わせのよさからして、すでにミラクルじみたものを感じるが、たとえヒットを打たずとも、その好機に応えるのが「石原マジック」の真骨頂。

 ファンの間で有名なものは、2011年5月14日の「サヨナラ押し出し死球」だろう。満塁の好機で、石原の体にボールが吸い寄せられていく様は神秘的な力が作用しているのでは? と思えてしまうほどだった。

 ノーヒットながら殊勲者としてお立ち台に立った石原の姿にはファンだけでなく、本人もさぞかし違和感があったことだろう。

 2014年8月28日に放ったサヨナラ打も完全にダブルプレーだと思われた当たりがイレギュラーするなど、これまた神秘的の力を感じさせるものだった。

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