6年ほど前の事例ですが、違法スレスレの税務調査を行うと有名な、大阪国税局の税務調査において、調査官の威圧や誘導があったと国税不服審判所から認定された事件があります。この事件においては、調査官が事実に反する内容の回答をさせたり、隣室の会議に支障が出るほどの怒鳴り声を挙げたりしたことが明らかになっています。
国税不服審判所や裁判所は、基本的には国税の味方なので、違法スレスレの税務調査が行われていても国税に問題はないと判断することがほとんどです。しかし、この事件はそれと真逆の判断がなされているわけで、非常に大きく報道されました。
■氷山の一角に過ぎない
押さえておくべきは、このような違法スレスレの税務調査は、表面化しないだけで現在もかなり多く行われている可能性が大きい、ということです。多くの調査官は法律も空気も読めないため、税務調査において間違ったことをしているという認識を持たないからです。実際のところ、私の現職時代には、不正取引を行っている納税者に対してですが、怒鳴ることも必要であると指導されていました。
不正取引を行っていないのであれば、本来は善良な納税者として国税も尊重しなければなりませんが、いい加減に考える調査官が多いため、納税者を精神的に追い詰めるような不適切な税務調査が行われることになります。
■対応方法は録音だが
このような不適切な税務調査に対しては、証拠が重要になりますので、税務調査における調査官の発言を録音しておくことが望ましいでしょう。このあたり、国税も十分に理解しており、不利な言質を取られないよう、税務調査の録音を禁止しています。
この場合、「録音をさせないと調査をさせない」などといった交渉は決してしてはいけません。調査を忌避したとして刑罰の対象になるリスクもあるからです。
■録音できないのであれば
録音ができない以上、後日不適切な税務調査があった、ということを納税者が立証することは極めて困難です。
「違法スレスレの税務調査は今でも行われている可能性がある」と話す元国税調査官
2017.06.26 19:00
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