小林麻央さん、闘病の陰で最後までこだわっていた自宅療養

Photo by halii_(写真はイメージです)

 小林麻央(享年34)の早すぎる死を悼む声が絶えない。毒舌で鳴らすお笑い芸人の松本人志(53)でさえも、6月25日のワイドショー・バラエティ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、「こういう人を美しい人って言うんじゃないでしょうかね」と最大級の追悼メッセージを送った。こうした中、2年半以上に及ぶ闘病生活の果てでの旅立ちの場所が、家族と過ごした自宅だったのは、小林麻央本人たっての希望であり、かつ奇跡に近かったことを、『女性自身』(光文社)などが伝えている。

 2014年10月のがん宣告以降、がん切除の手術や放射線治療以外は主に自宅での在宅医療を続けていた。

「小林は、夫の市川海老蔵(39)や2人の子供と過ごす時間を優先しました。急な容体悪化の際の処置の遅れというリスクを覚悟のうえで、自宅療養にこだわったのです。昨年9月末には左胸切除とリンパ節の切除という大手術を受けながらも10日ほどで一時退院し、子供の幼稚園の運動会を参観しました。家族との思い出を少しでも多くつくろうと奮闘していました」(芸能誌記者)

 苦しい闘病に堪えながらの家族との生活。今年3月、眠りこけた長男の勸玄君(4)を抱え上げようとした際には、放射線治療の副作用で骨の痛みに苦しんだ。我が子との何気ない触れ合いの中でさえ、体の衰えを痛感させられる苦しい日々だった。

 それでも、家族との生活にこだわる小林に過酷な試練が訪れる。

■入院中に重篤な場面も

 輸血と腹水の除去のために4月22日に入院。早期に退院できるはずだったが、39度台の高熱が続くようになり、遂には危篤状態に陥ってしまった。医師の求めで、海老蔵ら家族全員が呼び出され、必死の呼びかけが病室内にこだまする。切迫した状況ではあったが、奇跡的に小林をこん睡状態から目覚めさせることができた。

 その後も容体は好転しなかったが、5月29日に退院。約1か月後の今月22日、小林は家族に見守られながら住み慣れた自宅で息を引き取ることとなった。

「小林が自宅治療にこだわったのは、2013年に白血病で死去した義父の團十郎が、病院療養続きで自宅に帰ることができなかったのを目の当たりにしたから。若くして死が迫る中、家族と過ごす時間を少しでも長く持とうと奮闘し、自宅での旅立ちがかなったかたちです」(歌舞伎関係者)

 過酷な闘病生活はシビアな結末に終わった。ただ、自宅での旅立ちという小林の願いが叶ったことだけは、家族にとってせめてもの救いとなったのは間違いない。

文・安藤美琴(あんどう・みこと)
※1974年東京都出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ガールズジャーナル』(セブン&アイ出版)、『パチンコ攻略の帝王』などに寄稿。現在は女性向け読み物系の記者・編集者として活躍中。
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