かつて日本で“受験戦争”と呼ばれた大学入試。中国では比喩的な“戦争”よりよほど恐ろしい現実がある。言うなれば“受験監獄”だ。
中国では毎年6月に『高考』(普通高等学校招生全国统一考试)と呼ばれる大学統一入学試験が2日間(一部の省は3日間)にわたって行われる。
昨年6月、国営通信の新華社は「今年から中国の大学入試でカンニングをした者は、最大7年の禁錮刑を受ける可能性がある。また3年にわたり他の国立教育機関の入試を受けられなくなる」と報じた。
「高考ひとつで人生が左右されるとあって、親ばかりか親族総がかりで取り組む力の入れようは、韓国の大学受験以上です。特に中国の場合、農村からの大都市流入を防ぐため、地方出身者には合格者制限が設けられるなど、日本では考えられない差別が施されています」(在日中国人ライター)
それゆえに、カンニングをしてでも大学合格さえできればと考える受験者は、日本の比ではないという。
「カンニングの多さを中国教育省も問題視し始め、警察までが替え玉受験やワイヤレス機器使用に的を絞った取り締まりを開始しています。また商魂たくましい中国人が、この一大ビジネスチャンスを見逃すはずもなく、とんでもないカンニングアイテムまで売られています」(同・ライター)
中国の「ハイテク」不正事情
清の時代まで約1300年間にわたって行われた官僚登用試験である『科挙』において、頻発していた試験官への賄賂は現在では消えた。だが、替え玉受験とカンニングペーパーは連綿と続くカンニング方法だ。
「消しゴムに似せた液晶画面や、洋服内やめがねのフレームに仕込んだ通信機器を使って外部と交信する。あるいは持ち込んだペットボトルに機器を仕込むなど、まるでスパイ映画のようにハイテク化しています。体の一部に“正解”を記入する手も使われますが、ということは事前に回答が出回っているわけです。