今そこにある残酷な現実をとことん突きつけていく、アメリカの子ども向け絵本『うちのご近所にようこそ』

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今そこにある残酷な現実をとことん突きつけていく、アメリカの子ども向け絵本『うちのご近所にようこそ』

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 幼少期というものは、とても多感な時期で、何を見ても新鮮で、人生でもっとも貴重なすばらしい時間であると表現されることもある。

 だがみんながみんなそうだっただろうか?思い出したくもない、つらい幼少期を過ごした人もいるはずだ。ましてやアメリカでは、貧富の差は拡大するばかりで、貧しいコミュニティに住む子供たちは、テレビにでてくる微笑ましい家族像とはまるでかけ離れた現実に、生まれて初めての理不尽を学んだ子もいるのではないだろうか?

 アメリカの教育支援慈善団体ユース・アンバサーダーズは、恵まれない子どもたちがその秘めた能力を十分に発揮できるよう、支援している組織だ。

 この団体が、実際に子どもたちがどのような幼少期を過ごしているか、あえて残酷な現実を突きつけるシンプルなアイデアを思いついた。それがこの子ども向けの絵本『うちのご近所にようこそ』だ。

・実際にあった悲惨な話をかわいらしい動物たちでつづった絵本
 この絵本も、ほかの絵本と同様、フレンドリーでかわいらしいウサギやネコ、ネズミが擬人化されて登場するのだが、その内容は悲惨だ。

 家庭内暴力、麻薬、犯罪、殺人、刑務所など顔をそむけたくなるような話のオンパレードだが、すべて実話に基づいたものである。アメリカのもっとも貧しい地域出身の不幸な子どもたちの現実がそのまま絵本になっている。

 家族向けの親しみやすくかわいらしい挿絵ですら、子供たちが生活の中で直面する暴力を覆い隠すことはできない。麻薬中毒の父さんネズミが子どもたちを殴ったり、兄さんウサギたちが人を殺めたり、ミスター・キツネはやたら銃をぶっ放す血の気の多い警官だ。

 『うちのご近所にようこそ』が、子どもたちの苦境に真の変化をもたらすのかどうかはわからない。多感な子供たちがこの本をどう受け止めるのかはわからないが、これまでとはちがった切り口で、子どもたちを支援しようという創意工夫は見てとれる。
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