ヨーロッパで大規模なテロ事件が続発するなか、こうした犯行を繰り返す過激派要員のリクルートは刑務所で行われ、テロ実行を支えているのは“麻薬”という恐ろしい現実がある。
イギリス中部マンチェスターのコンサート会場『マンチェスター・アリーナ』での自爆テロ犯は、22歳のリビア系イギリス人のサルマン・アベディ容疑者だったが、彼はコーランを知らなかった。
「多くのジハーディスト(聖戦主義者)は驚くほどコーランに対して無知です。最近は、窃盗などで刑務所に入ったイスラム系の若者が、そこでリクルートされる傾向が目立っており、家族も知らないうちに短期間で過激化していくのです。IS(イスラム国)は昨年、欧州に居住するテロリストに対し『シリアやイラクの聖戦に参戦する必要はない。自身の国で聖戦を続行するべきだ』と指令しています。欧米の治安関係者は、イスラム系の若者が誘われていく過程をもっと検証すべきです」(国際ジャーナリスト)
ジハーディストも決して平静心で実行しているわけではないことが明らかになってきた。パリに潜伏していたテロ容疑者のアパートを捜査した警察関係者は、使用済みの注射針を見つけている。容疑者たちが麻薬を摂取していた可能性があるわけだ。
「自爆テロリストは、イスラム過激主義者というより、麻薬中毒患者と言った方が当たっている状況です。もちろん例外はありますが…」(テロに詳しい軍事ライター)
テロリストのあいだで伝説化したビンラディンの息子
現在、ISは相当に追い込まれているが、過激派社会には“新しいスター”が登場している。アメリカ同時多発テロ“9.11”を起こした、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンの息子ハムザだ。ビンラディンはテロリストたちにとってはすでに伝説化しており、崇拝の対象にさえなっている。現在、アルカイダと対立しているISでさえ、ビンラディンを批判することはない。
「ハムザの存在は一昨年に紹介されましたが、それはビンラディン後継者であるエジプト人の元医師、アイマン・ザワヒリによってでした。ハムザには指導者に必要なカリスマ性という面から、ふたつの“強み”があります。ひとつは出自の正当性。もうひとつは、彼の母親はカイリア・サバルというサウジアラビア人で、ビンラディンの3番目の妻ですが、イスラムの預言者ムハンマドの一族の出身者だとされていることです」(前出・ジャーナリスト)
ハムザはザワヒリの元でデビューのチャンスをうかがっているとされるだけに不気味だ。
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