スマホ視聴でも徴収 批判殺到のNHKネット受信料

| 週刊実話

 NHKがテレビのネット受信料の導入を本格的に検討し始めたことに対し、市民や民放関係者から反発が噴出している。
 「最近、パソコンやスマートフォンでもテレビ視聴できるような環境が整い始め、特に若者がそちらに流れようとしている。そのため、テレビを持たないNHK視聴者数が急増するのではないかという懸念もあり、対策が急務ということもある。しかし、それ以上に大きいもう一つの背景は、経営基盤を安定、拡大したいというNHKの思惑があるのです」(全国紙社会部記者)

 NHKは、東京五輪の前年の2019年をメドに、テレビ放送とネット放送の常時同時配信の本格始動を目指すという。
 「その準備を着々と進めているわけですが、二つの面をクリアしなければならない。一つは法的な問題。もう一つは、逃げ得は許さない形を整えること。公平性と必要性を視聴者に納得させなければならない」(同)

 まず、法的とはどういうことか。テレビ放送の電波権やNHKなどを管轄する総務省関係者が言う。
 「現状のままでは、NHK受信料制度は一般的な放送を前提としたもので、ネットオンリーで視聴する人は想定されていない。そこで今は、有識者など幅広い層からなる『受信料制度等検討委員会』を設置し、様々な意見を聞いた上でネットのみの視聴者でも受信料を徴収できる法改正までこぎつけたいとしています」

 二つ目の公平性に関しては、徴収率の安定だ。現在の全国のNHK受信料の徴収率は、78.2%と年々アップしている。
 「従来のNHKには、“取れなければ仕方がない”という姿勢があった。しかし、それを許していると真面目な人がバカを見る。ゴネる人は、地上波契約月額1260円、衛星契約だと同2230円得することになる。放置すればネット受信料徴収などおぼつかない。そのためにNHKは、ネット時代も想定した上での徴収率アップを徹底し始めているのです」(業界関係者)

 例えば、ホテルの『東横イン』の客室ごとのテレビ受信料徴収を巡る裁判では、今年3月、NHKが地裁で勝訴している。

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