8月7日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に、先ごろプロ棋士から引退した“ひふみん”こと加藤一二三氏がVTRで出演し、鼻毛をブラジリアンワックスで処理する模様が放送された。
この日のテーマは『言われてみれば見た事のないものを調査した件』。加藤氏の鼻毛が処理されたらどう見えるのかという企画で、番組では鼻毛を一気に抜いたあとの加藤氏の様子が紹介されていた。
処理するために鼻に棒を突っ込んだ状態で映っている加藤氏を見た視聴者は、ツイッターで《あかん、寝られへん》とコミカルな様子を笑う声も多かった。
一方、番組における加藤氏の扱いに疑問を持つ声もあり、《プロの偉い方がああいう番組(好きだけど)にネタにされてたら、もうやめてあげてよぉ~って感じな気持ちになる》、《凄い人やのに軽く扱い過ぎちゃう?》といった意見もあった。
「いじり」が不快に思われないレベルとは?
将棋界で「神武以来の天才」と称された加藤氏は、最高齢現役記録や通算対局数1位など、多くの記録を持ちながらも、数々の興味深いエピソードや特異なキャラクターから、将棋ファンのあいだでは人気のある棋士だった。
同番組も本人が了承の上で出演しており、バラエティー番組に出演するということは、コミカルに扱われる覚悟があるのだろう。だが、これまで将棋界で打ち立てた数々の実績を全く無視したような扱いをし、単なる笑いの材料として消費していく番組を見ていると、本当にこれでいいのかと考えさせられる人は多いようだ。
特に実績をよく知らない視聴者にとっては、単なる面白いおじいさんとしか認識しないかもしれないだろう。
加藤氏への度を超した“いじり”に関しては《少しでも多くの人に将棋に興味を持って欲しいと思ってテレビにたくさん出ているのだろう》との声もある。加藤氏の体を張ったメディア対応を評価する声もある一方で、《ひふみんをいじめないで》と番組側にも配慮を求める声も根強い。
テレビ番組の制作側には常に難しい舵取りが迫られていると言えるだろう。
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