江戸時代、フグは中毒死することが不名誉として武士の間では禁止されましたが、民間においては愛好されたのは前回ご紹介しました。今回は、近代化を迎えるにあたってフグ料理が辿った数奇な運命と、現状について紹介します。
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フグが庶民の間で人気だった理由はグルメだけではなく、江戸などでは男性が度胸試しで食べることがありました。妻子持ちは断ることが出来たという話もあります。そうした風潮とは真逆であったのが長州で、かの地が生んだ幕末の才人・吉田松陰に至っては著作『不食河豚説(フグを食わざるの説)』の中でフグ食を批判するほどでした。