ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第90回 牛乳石鹸のCM大好きなスーパー転校生というアイドルが解散するという知らせに落ち込んでいたところ、「新井浩文さん主演の牛乳石鹸のCM『与えるもの』編が炎上している件と、アキラ100%が落語家に嫌われてる問題とどっちがいいですか?」というメールが編集氏から。「アキラ100%が落語家に嫌われてるって、そんなの特定の何人かが表明してるだけで、落語家全員にアンケートとったわけじゃないし、わかんないよ。何を言えっていうんだよ…。」というわけで、牛乳石鹸のCMを見ることに。
え、何これ? 意味がわかんない。炎上してるポイントとしては「子供の誕生日なのに連絡もなしに飲みにいって帰ってこなかったくせに、なんか被害者みたいに描かれてる父親」というのが大きいと思うんですけど、全体を通して見てもチグハグで意味がわからないんですわ。
この父親の設定としては「仕事人間だった父親を反面教師に家庭的で子供に優しい父親として生きてきたが、最近これでいいのかと悩んでる男」なわけですが、全然そんな風に見えないのです。まず、新井浩文さんが全編を通して生気のない目でほぼ表情なく演じているために、なんだか心を病んでいる人、もしくは殺伐とした異常者に見えてしまいます。多分、夫婦共稼ぎという設定だと思うのですが、男はゴミ捨てをやってるくらいの描写しかなく、新井さんの演技の力によって、『鬱っぽい男』か『ゴミ捨てを頼まれた程度で不満を見せる殺伐とした異常者』のどちらかにしか見えないため、家庭的な様子がいっさい感じられません。また、子供と遊んで笑顔になるなどの優しいパパ的な描写も存在しないので家族思いの要素が感じられないのです。
それでは、会社での様子はどうでしょう? これが、やっぱり生気のない様子しか描写されず、『仕事をやるのがツラくてしかたがない人』か『全てのことに対して怒りを抱えた異常者』にしか見えません。
男は帰りに誕生日ケーキを買ってくるように頼まれていたのですが、仕事中に奥さんから「誕生日プレゼントも買ってきて」とメールが届きます。そして、おそらく休憩時間中(帰りのシーンより日が高いので)に買いにいくわけですが、よく考えると変です。