2011年の発生以来、650万人の難民と30万人近くの死者を出し、泥沼化する一方のシリア内戦。一昨年から今年にかけて世界を震撼させた過激派組織「IS(イスラム国)」の存在も、情勢の混迷に拍車をかけている。「一時はシリアからイラクの広範囲を支配したISですが、各国軍の掃討作戦で衰退。指導者の多くも戦死し、現在は、限られた地域を支配するのみです」(全国紙外信部記者)
だが、それでも活動が沈静化する気配はなく、逆に中東のみならずヨーロッパ各国で、彼らの主張に影響を受けた若者らによる自爆テロや無差別銃撃が頻発。むしろ、世界中にテロの火種がばらまかれているのだ。
■ISが沈静化しない中、“ビンラディン”の息子が…
そんな中、さらなる混乱を招きかねない“危険人物”の存在が明らかになった。「ハムザ・ビンラディンという28歳の若者です。9月14日、イスラム過激派の放送網を通じて“すべてのイスラム教徒が立ち上がらなければならない”とジハード(聖戦)を呼びかけ、各国の関係機関に緊張が走ったんです」(前同)
まだ若いハムザに注目が集まる理由はただ一つ。名前で分かる通り、彼は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを主導した、過激派組織アルカイダの首魁、ウサマ・ビンラディンの息子なのだ。「ハムザは11年に父が米軍に殺された際、アルカイダの残党とともに潜伏。昨年突如、姿を現して世界を驚愕させました。現在はアルカイダの広報担当として“ビンラディンブランド”を駆使し、組織の再興に励んでいます。将来、トップに立つのは間違いないでしょう」(通信社中東特派員)
■アルカイダの復活はIS以上の脅威
実は、米国をはじめ国際社会にとって、アルカイダの復活は、ある意味、IS以上の脅威だという。「領土の支配に注力したISと違い、アルカイダは領土的野心を持たず、ゲリラ的にテロを起こす戦術。今後はISの“ネット布教”で過激思想にかぶれた人々に接触し、テロ指南を行うと予想されます」(前同)
明確に「米国への復讐」「イスラエル攻撃」を掲げているのも、新生アルカイダがISと違う点だ。「まずいことに、現在も父・ウサマの遺産2900万ドル(約30億円)が行方不明のままなんです。ハムザのもと、アルカイダや各国のテロリストが、それを使って“一斉蜂起”する可能性をにらみ、米国は1月に彼を国際テロリストに指定。最重要人物として監視しています」(前同)
父から子へ受け継がれた憎悪。“9・11の悪夢再び”とならないことを願いたい。
米が警戒する「ビンラディンの息子」とアルカイダ復活
2017.10.02 10:00
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