小池百合子「希望の党」代表のシナリオ通りに進む衆院選

| まいじつ
小池百合子「希望の党」代表のシナリオ通りに進む衆院選

小池百合子東京都知事の“排除の論理”をすり抜け、希望の党に流れ込む民進党の同僚議員をよそに、枝野幸男氏が新たに『立憲民主党』を設立した。これで民進党の分裂が事実上で決まり、希望の党へ「全員の移籍を目指す」と発言した前原誠司代表の意気込みはまやかしになった。

枝野氏は共産党や社民党との共闘に活路を見いだす構えだが、野党候補が乱立することも想定され、民進党所属の立候補予定者にはどちらに転んでもいばらの道だ。

「小池知事の思い通りになってきたようです。政策の合わない人たちが自ら出て行ってくれた。候補者リストを作るタイミングでリストから外したら遺恨が残るし、前原代表らの反感を買います。小池知事の狙いは、民進党の選挙資金と連合を代表とする固定票です。そしてあとは民進党を骨抜きにすること。『安保法制維持』と『憲法改正』を踏み絵にして排除する予定だったが、手間が省けたと思っているのではないでしょうか」(政治ジャーナリスト)

その小池知事の描く“シナリオ”に乗った形となった枝野氏。前原代表は立憲民主党の設立記者会見が開かれる2時間前に枝野氏に電話し、申し訳なさそうに「24年間一緒にやってきて残念だ」と話したという。

完全に瓦解した民進党

両氏は1993年に日本新党で初当選した同期で、四半世紀にわたって政治活動を共にしてきた。枝野氏は会見前に離党届を提出し、新党結党を前原代表に伝えたという。

会見では枝野氏に、前原代表の“裏切り”や意図的な“だまし討ち”を指摘する質問が相次いだが、「これまでのプロセスは残念」、「事実関係が分からない」と多くは語らず「ピンチはチャンス。前向きに受け止めている」と述べた。新党に集まる人数は明確にしなかったが「菅直人元首相や長妻昭氏らベテラン議員が参加し、50名規模になるとの見通しだ。

「これで民進党は希望の党から出て戦うか、立憲民主党から出るか、無所属で戦うかの3通りの選択肢になりました。しかし、これだけ小池知事の読みどおりに進むと、まるで全員が魔法にかかっているかのように踊らされているような気がします」(民進党関係者)

小池知事は“先読みの達人”だといわれている。

「希望の党が自民党に次ぐ第2勢力になれば、自民党と連携して『自らが首相に』と言い出しかねません」(前出・ジャーナリスト)

選挙中にどれだけの有権者が、選挙後にはどれだけの議員が踊らされることになるだろうか。

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