グレイトライバルとの壮絶な戦い! 王者NZが1点差で南アを下し全勝優勝

| ラグビーリパブリック

 2023年のワールドカップ招致に立候補している南アフリカもまた、誇り高きラグビーネーションである。王国と呼ばれるニュージーランドに負けず劣らず、楕円球に並々ならぬ情熱を燃やす。

 それぞれの代表、スプリングボックスとオールブラックスは、互いに認め合うライバル同士。戦いの歴史は1921年から始まっていくつもの名勝負が繰り広げられ、95度目の対戦も、最高峰のリアルテストマッチと呼ぶにふさわしい壮絶なぶつかり合いとなった。

 10月7日、南アフリカはケープタウンのニューランズスタジアムでおこなわれた「ザ・ラグビーチャンピオンシップ 2017」(南半球4か国対抗戦)の最終節は、すでに連覇を決めていたニュージーランド代表“オールブラックス”が25-24で南ア代表“スプリングボックス”を破り、2年連続で全勝優勝を遂げた。

 南アは敗れたとはいえ、2年後にワールドカップ3連覇を狙うニュージーランドに強烈なメッセージを与えた。3週間前に敵地で0-57と屈辱的な惨敗を喫したあと、怒りがおさまらない一部ファンの非難や暴言はスプリングボックスの妻やガールフレンドにもおよび、エベン・エツベス主将が苦言を呈する事態にまでなっていた。しかし、この日のプライドをかけた奮闘は負の連鎖を断ち切るには十分で、スタジアムで観戦した約4万8000人からは両チームに大きな拍手が送られた。

 試合は序盤、互いにPGで3点ずつ取りあう。

 前半15分、ニュージーランドがカウンターを仕掛け、WTBリーコ・イオアネが左サイドを疾走しゴールラインを越えたが、猛追した南アはグラウンディング寸前で落球させた。19分にも黒衣の男たちはゴールに迫ったが、スプリングボックスは耐える。21分、今度は南アが敵陣22メートルライン内に入ると、SHロス・クロニエにタックルしたニュージーランドのFBダミアン・マッケンジーがすぐに立ち上がってボールを奪い返し、こちらも譲らない。

 最初のトライシーンは31分だった。ニュージーランドがSOボーデン・バレットのキックチャージからチャンスとなり、インゴールに転がったボールをCTBライアン・クロッティが押さえ、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)でトライが確認された。

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