若者に蔓延「借金意識希薄」背景に学生ローンが復活

| まいじつ
KY / PIXTA(ピクスタ)

ひと昔前、JR山手線の高田馬場駅前には“学生ローン”の看板が乱立していた。冗談で「早稲田の学生は借金が好き」などが語られたこともあったほどだ。一時期は見なくなっていたが、最近になってその学生ローンが復活したという。ただし、早大生の顧客比率は徐々に下がっており、いまでは1%ほどだそうだ。

学生ローンとは、学生証を持っていることを条件に無担保で融資を行う消費者金融の一種だ。学生は基本的には収入がないため、1件当たりの融資額は平均して10~20万円程度。しかし、金利は17%余りと大手の消費者金融と大差はない。

「借金使途の傾向も変わってきているようです。融資を学費の足しにする学生もいるし、『ダブルスクール』(資格を取るため専門学校などに通う)の学費を借りる学生も多くなってきました。もちろんなかには『パチンコに負け続けて学生ローンに頼った。結局そのローン30万円は親に返済してもらった』というような昔ながらの理由もあります」(ローン問題に詳しい経済ライター)

この2~3年で学生ローン顧客数増加

かつて、お茶の水や代々木などに点在していた学生ローン街は、少子化や経営者の高齢化、そして2006年の貸金業法改正の影響を受けて、多くが淘汰された。

「生き残った業者は好況の恩恵に浴しています。高田馬場の、ある大手学生ローン業者の顧客数は減少傾向にありましたが、ここ2~3年で増加に転じたと言っていましたから。顧客層が広がった一方で、金を借りているという意識が希薄な学生もいます。『学生ローンはサラ金に比べてイメージがいい』とか『学生ローンで借りたと言った方がまともと思われる』ということからすると、借金をすることの深刻さが分かっていないのではないでしょうか」(同・ライター)

若年層のあいだで借金への心理的抵抗が薄れている傾向は危うい。小口融資でも、一定の収入がない学生が安易に借り入れを続ければ、債務に苦しむことになる。最近はインターネット通販で『ツケ払い』というサービスも登場するなど、借金という言葉の巧みな言い換えに惑わされている若年層が多く、蔓延する兆しを見せている。

将来の自分が得る収入から前借りしていることを自覚しなければ、危ういといわざるを得ない。

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