童話的な世界観で聴く者を幻想空間へと誘うシンガーソングライター・谷山浩子(61)。デビュー以降45年間の歌手生活の中で、異彩を放つ4年間があった。82年4月8日から86年4月3日まで担当した木曜2部は、それまでのキャラクターを覆すある出来事もあり‥‥。
オファーが来た時は、「私のようなおもしろいことが言えない人間が出ていいはずがない!」と断りたかったのですが、「頼むから断らないで」と熱く迫るマネージャーを前に断る度胸もなく‥‥。
目の前真っ暗になりながら迎えた初回当日、直前までパニック状態でした。
「帰る」とマネージャーに口走ったら、「帰ってもいいけど歌手生命終わるわよ」と脅かされ、しかたなくマイクの前に座りました。
番組のコーナーには、「浩子の深夜童話館」などのエッチな話題を取り上げるものもありましたが、エッチな話題はけっこう好きだったので、楽しんでいた一方、露骨で下品なエロは嫌いだったので引いていた部分もありました。中でも、色っぽい声と吐息で文字を表現するクイズは楽しかったですね。エロ漫画家さんたちとの交流もありましたね。
何より、「リスナーをなんとか喜ばせたい」という気持ちが強く、「ウケるならなんでもやります!」という心情が強かったんです。
特に印象に残っているコーナーは、組織票OKの「ザ・ベストスリー」。普通の曲への投票のほか、第1回の1位は高校の校歌でしたし、リスナーが自作テープを送ってきて、本人がその曲に対して、何百枚もハガキを投票してきたこともありました。
オリジナル音源はたくさんありました。「サザエさん」のテーマ曲を短調にして歌っただけの「陰気なサザエさん」や、笛の弾き語りが驚くべき「おじぞうルンバ」、沢田研二さんの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」のイントロビートに乗せ、あみんの「待つわ」を歌った「6番目の待つわ」などが印象深いです。
最も高聴取率だったのは、私の誕生日に、リスナーさんや関係者の方がくれたプレゼントをひたすら開け続ける2時間だったそう。