フジテレビ系列の『全力!脱力タイムズ』。金曜の夜11時台スタートという、バラエティ業界におけるゴールデンタイムだ。海外の報道番組さながらのスタジオセットに、Datsuryoku News Networkの略語・DNNが華麗に躍る。しかし、番組と向き合うにつれ、このすべてが、フェイクなのではないかという思いに駆られる。なぜなら、出演者全員が、ふざけているからだ。
メインキャスターは、アリタ哲平。くりぃむしちゅー・有田をあえてカナ表記にして、スーツにめがね姿で決める。週替わりのゲストコメンテーターは、同じく、めがねをかけた俳優やタレントが1名。そして、VTRやコメンテーターの発言にツッコミを入れる芸人が1名だ。肝は、この芸人である。求められるのは、高いツッコミスキルだ。
アリタやゲストの“めがね枠”は基本、笑顔が禁止。口調も、ベテランニュースキャスター、元経済産業省官僚・経済学者、犯罪心理学者、侵入生物専門家、教育学者、軍事ジャーナリストといったレギュラー解説員たちと同じく、低音で冷静沈着。リアリティを追求し、落ち着きを忘れないからこそ、突然、毛色が変わって全力でふざけるVTR、コメントが笑いにつながる。まさに、緊張と緩和の笑いの理論だ。
ここ数か月間にわたって、芸人を上回る爆笑をかっさらっているのは、滝沢カレンだ。“日本語がヘタ”な彼女は、ファッション誌『JJ』の現役モデル。父はウクライナ人、母は日本人というエキゾティックな顔立ちは、誰もが振り返るほどの美人だ。両親は、自身が産まれる前に離婚しているため、生まれ育ったのは日本。だが、敬語や表現方法、使いどころがメチャクチャすぎて、コメントが散らかり放題。そのキャラで今、バラエティ番組を席巻中だ。
そんな滝沢がナレーションを務めているのが、“THE 美食遺産”や“THE 絶景遺産”といった紹介コーナーだ。まともな日本語を話せない彼女の特質を、逆手に取った内容だ。原稿を手渡され、その数秒後に映像を観ながらの本番開始。そう思わなければ辻褄が合わないほど、とにかく噛み、間違い、イントネーションがおかしい。後半は、映像を観ながらアドリブで実況中継していくが、登場する人や物、技術をディスる表現がさく裂。
有吉の強力ライバルはハーフモデル?
2017.10.20 07:14
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