ジャパンの現状を確かめる試合に。世界選抜、「私たち相手によき準備を」

| ラグビーリパブリック

左から五郎丸歩、ベリック・バーンズ、ロバート・ノディンAIGジャパン・ホールディングス株式会社代表取締役社長兼CEO、ロビー・ディーンズHC、エドワード・カーク。(撮影/松本かおり)

 手強いな。壇上に並んだ顔触れに、そう思った人も多かった。

 10月28日にジャパンXV(日本代表)と戦う世界選抜のロビー・ディーンズ ヘッドコーチと3選手が出席した記者会見が都内のホテルで開かれた。ヘッドコーチの横に並んだのは、五郎丸歩(ヤマハ発動機)、エドワード・カーク(キヤノン)とベリック・バーンズ(パナソニック)。ジャパンXV側から見れば、敵にまわすと厄介な相手ばかりだった。

 能力と性格、そしてスケジュールの空き。「それらがセレクションポリシー」といたずらっぽく話したディーンズHCは、「2015年(のワールドカップ前)も世界選抜がジャパンと戦い、準備を提供しました。今回も彼らにとって、素晴らしいステップになればいいですね」と続けた。

「ジェイミー(ジョセフ日本代表HC)と(アシスタントコーチの)トニー・ブラウンのコンビでチームはこれからどんどん先に進むだろうし、いまもうまく準備は進んでいると信じています。が、本当にそうなっているかどうか、皆さんの目で確かめてみてください」

 3選手も、それぞれの思いを口にした。

「日本の選手が海外のセレクトチームで戦うことはこれまでほとんどなかったと思うので、日本人の価値を高められるようなプレーをしたい」と話したのは五郎丸だ。対戦したい選手を問われると「同期の山田章仁や堀江翔太ですね」と答え、「生まれ故郷の福岡でプレーできるのは嬉しいし、自分が2015年にジャパンとして世界選抜と戦ったときは、チームのいる位置が分かる試合となりました。今回も同じように、ジャパンにとっていい準備になるなら嬉しいですね」

 カークは「(普段からの)仲間と戦おうが、どんな試合でも最善を尽くす」と話し、バーンズは「世界中の選手が集まったグローバルなチームでプレーできるのは嬉しい」と語り、言葉を続けた。

「ケンキ(福岡堅樹)には注意したいですね」

 両チーム、互いにリスペクトした好ゲームが期待できそうだ。

 世界選抜のチームスポンサーであるAIGジャパン・ホールディングス株式会社のロバート・ノディン代表取締役社長兼CEOは、HCや選手たちが試合への思いを口にする様子を目の当たりにした後、言った。

「私たちはダイバーシティー(多様性)をモットーに事業を展開しています。世界中から集まった選手たちで構成するこのチームは、まさに、そのコンセプト通り」

 キックオフは10月28日、15時、福岡・レベルファイブスタジアムにて。このチームが赤白のジャージーを苦しめれば苦しめるほど、2年後のワールドカップに向かう途中のチームは得るものが大きくなる。

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