ドクターX「セカンドオピニオン」であり得ない展開

| まいじつ
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10月26日に放送された『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の第3話は、テーマが『セカンドオピニオン』だった。しかし、その内容が物議を醸している。

患者にセカンドオピニオンを受けさせないという東帝大学医学部の猪又孝外科副部長(陣内孝則)の圧力が、医療ジャーナリストによれば「いまの医学界にはありえない」というのだ。

この放送回は、東帝大学付属幼稚園園長の三鴨寿(平田満)が倒れたところから始まる。偶然にもその場に居合わせた大門未知子(米倉涼子)は、三鴨を東帝大学病院へ搬送。肺の腫瘍を発見した未知子は即座に手術すべきだと進言するが、三鴨の反応は鈍い。三鴨はもともと外科副部長の猪又の患者で、しかも猪又からは、「薬で腫瘍を小さくしてからでないと手術はできない」と言われていたからだ。だが、大門は手術に猛反対する猪又の目の前で、「わたしならできる」と断言する。そんななかで三鴨はセカンドオピニオンを希望する。

その三鴨は数日後、なぜかフリーランスの大門が所属している『名医紹介所』へやって来る。セカンドオピニオンをどこの病院にも断られたという事情を聞いた名医紹介所所長の神原晶(岸部一徳)は、東帝大学病院の院長である蛭間重勝(西田敏行)のもとへ。一度、かかりつけの状態からセカンドオピニオンを求めた患者の受け入れに難色を示す蛭間を説き伏せ、三鴨を持ち込み入院させる。ところが、その執刀医の座をめぐり、大門と猪又が激突することになる。

ワンパターン展開で視聴率に陰りも

「セカンドオピニオンは、すでに多くの医者が推奨する制度です。セカンドオピニオンを頼まれた医者は、その結果を主治医に報告する義務もあるのです。いくら大学病院という権威を使っても、止められるはずのない患者に認められた権利だということを、ドラマの制作者は分かっていないのではないでしょうか」(前出・ジャーナリスト)

蛭間は猪又を執刀医に、大門を第1助手に指名する。メンツとプライドに人一倍こだわる猪又は「わたしがなぜ、大門のようなバイトと一緒にオペを!?」と憤慨するが、大門は猪又に発見できなかった別な箇所のがんを見つけて切除することに成功し、いつも通り大門の活躍でドラマは終わった。

「やはりこのワンパターンなストーリー展開は心配です。これまでのシリーズ全てを通じてたったの1回しかなかった視聴率20%割れが、今シリーズでは第2話と第3話と続いています。ほかのドラマに比べるとまだまだ抜きん出た視聴率を誇ってはいますが、飽きられているのも間違いないでしょう」(テレビ雑誌編集者)

どうやら「失敗しないので」とはいかなくなっているようだ。

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