ビートたけしの名言集「ゾマホンと行った『ベナン共和国』その1」

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ビートたけしの名言集「ゾマホンと行った『ベナン共和国』その1」

 去年の冬、駐日ベナン特命全権大使の任期(4年間)を終えた、元たけし軍団の「ゾマホン」が、久し振りに殿に挨拶に訪れると、殿はすかさず、

「ってことはまた無職になっちまったのか? じゃーしょうがねーから、俺の付き人やって食いつなげ」

 と、ビートたけしの付き人及びたけし軍団への再入団を強く要請されたのです。

 そんな“一国の大使ではあったが、高校中退のわたくしの後輩でもある”ゾマホンに会うと、必ず思い出す旅があります。あれは2007年の春。殿、軍団の若手、そしてゾマホンと食事をしていた時のこと。ゾマホンがその年の夏、故郷・ベナンへ一時帰国することを殿に報告すると、

「だったらよ、お前らもゾマホンと一緒に、ちょっとアフリカ行ってこい。せっかくだからアフリカ見てこい」

 と、まるで“千葉へ行って落花生でも買ってこい”とでも言わんばかりに、実に簡単に、アフリカ行きをその場にいた若手全員に殿が命じたのです。この世界、師匠が「行け!」と言うのなら、もうそれは行くしかなく、殿のこの“ただの思いつき”で、わたくしを含む軍団の若手5名が、アフリカはベナン共和国に12泊する、“早すぎた「イッテQ」”的旅が、有無を言わさず強行される運びとなったのです。

 で、旅立つ直前、普段、ゾマホンが身にまとっている、恐ろしく派手な民族衣装を、軍団の若手も着て行けばベナンの人たちも喜ぶであろうと殿が提案され、それに合わせ、わたくしは頭を坊頭に剃り、見た目は完全に「ビルマの竪琴」的ルックスで、日本を飛び立ったのでした(この殿の提案が、後にとんでもないことになるのです)。

 ベナンへのコースは、成田⇒なぜか関西空港⇒パリ・ドゴール空港⇒リビア⇒ベナン。乗り換えの待ち時間だけでも12時間はある、恐ろしくストレスのたまるアフリカへの旅は、さすがに殿も心配だったようで、「乗り換えのたびに何時でもいいから電話しろよ。今どこにいるか、まめに連絡しろよ」と、ゾマホンに指示を出していました。そんな殿を見て、〈殿はやっぱり優しいな~〉とふと思ったのですが、よく考えたら、ベナンへ行くよう命じたのはほかならぬ殿なのです。

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