横綱・日馬富士が酒席で幕内・貴ノ岩に暴力を振るい、右中頭蓋底骨折などの重傷を負わせた「鳥取巡業暴行事件」――。「相撲ファンが楽しみにしていた今年最後の場所中に発覚した事件ですからね。しかも、不可解な点が多く、事件の全容解明は長引きそうです。人気復活を果たした大相撲界に大きな影を落としかねません」(角界関係者)
■事件は鳥取巡業中のモンゴル人力士の宴席で起きた
そもそも、この事件は10月26日未明(25日深夜)に起きた。鳥取で巡業中のモンゴル人力士同士の宴席で、日馬富士が同郷の後輩・貴ノ岩の言動に腹を立てて、掴みかかって頭を殴るなどし、全治2週間と診断された深刻な事件だ。しかし、当該、そして周囲のその後の対応は、あまりにお粗末だった。「事件後の26日の巡業には、貴ノ岩も参加しており、“2人が和解していた”との証言もあるようです。その一方で、貴ノ岩の師匠である貴乃花親方が鳥取県警に被害届を提出したのは10月29日です。しかも、協会には報告していなかったようです」(スポーツ紙相撲担当記者)
●貴乃花親方と伊勢ヶ濱親方に聞き取り調査するも…
県警からの連絡で事態を知った相撲協会は11月3日、貴乃花親方と日馬富士の師匠・伊勢ヶ濱親方に聞き取り調査を実施。
さらに、その後の相撲協会の判断もおかしい。「協会は、事件の報告を受けていながら、11月12日からの九州場所に日馬富士を出場させています。これは、“事件が表面化しなかったらウヤムヤにしようという意図が協会にあった”と言われても仕方ないこと。結局、あの頃の体質が変わっていなかったということになります」(前出の角界関係者)
■暴行死亡事件や薬物、八百長問題など不祥事の悪夢が…
あの頃とは、今から約10年前の6月に時津風部屋の力士が集団暴行に遭って死亡した事件のこと。その後も立て続けに、外国人力士による薬物使用や、朝青龍の一般人に対する暴行事件、野球賭博事件、八百長問題と、不祥事が続々と発覚。相撲人気は地に落ちた。「その頃の協会の対応も、常に後手後手。表沙汰にならなければシラを切り通そうという隠蔽体質が見え隠れしていましたね」(前同)
その後の改革でも結局、膿が出し切れていなかったということだろうか。「当時、凋落の一途だった大相撲を再興すべく、相撲協会はさまざまな改革と営業を展開。貴乃花親方も、部屋のサポーターズ制度を導入するなど、角界のガラス張り化に取り組んだ。その後、角界のスターも出てきて、再興を果たしたんですがね……」(前同)
角界の血と汗のにじむ10年の努力が、「失われた10年」にならないことを祈るばかりだ。
大相撲ブームに影を落とす「鳥取巡業暴行事件」の闇
2017.11.23 06:30
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