関係者が”芸能界のドン”を実名告発?TBS「レコード大賞」の癒着選考が明らかに

関係者が”芸能界のドン”を実名で告発?TBSレコード大賞の癒着選考が明らかに(写真はイメージです)

『第59回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)が今年も12月30日に放送される。そのレコ大の前最高責任者が22日発売の週刊文春(文藝春秋)で“芸能界のドン”こと周防郁雄氏(76)を実名で告発し、関係者の間に波紋が広がっている。

「文春で告発したのは作曲家で同賞の元制定委員長・叶弦大氏(81)です。きっかけとなったのは同誌16年11月3日号『三代目JSBはレコード大賞を1億円で買った』という記事で、15年度に大賞を獲った三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの所属事務所LDHから周防氏の事務所に1億円が支払われていたとして、その請求書の現物が掲載された。叶氏はその翌週に誌面で『伝統を汚す証拠が出た。このままにはしておけない』と謝罪、それに呼応するようにHIRO(48)がLDH社長の退任を発表している。そうした中の昨年のレコ大では周防一派の意向が反映された西野カナ(28)が受賞し、叶氏は失望の中で制定委員長を退いて今回の告発に踏み切ったというわけです」(週刊誌記者)

 同賞は、10名前後のスポーツ紙や新聞社の代表と、数名の音楽評論家、音楽プロデューサーで構成された選考委員が密室で決めている。周防氏は選考委員でもなんでもないが『新聞社13人の過半数、つまり7人の記者を押さえておけば、獲らせたい歌手に決められる』と語ったと伝えられている。日頃からスポーツ紙の担当者と芸能人の取材や情報提供で関係を構築し、自分の意向通りにタレントが賞を獲れるように画策していたという。

 レコ大の舞台裏で繰り広げられるマンガのような癒着構造にSNS上では「今だったらAmazonか、iTunesがデータ重視で一番売れた曲選ぶでいい」「もうレコ大に1億の価値もないと思うけど」「レコ大はミスチルで終わってる」と呆れた声が飛び交っている。

■1億円事件に無言のTBSは説明責任も放棄

 だが、そもそもレコードはおろかCDも売れなくなり、ダウンロードや配信が主流となる昨今、レコード大賞は必要なのだろうか。そして「1億円事件」がスクープされた後もレコード大賞を続けるTBSへの道義的な責任はないのか。LDH社長を辞任したHIROだけが責任を取る形で、TBSはもちろん、審査員をつとめた毎日新聞社のK、スポーツ新聞社から送られた十数名の委員はなんの説明責任も果たしていない。運営を行う制定委員に名を連ねる文化人Uや、大手芸能プロM、TBS相談役の元プロデューサーKも揃って無言を貫いている状況だ。

 Yahoo!意識調査の「『第58回レコード大賞』に納得するか」という調査では、「納得できる(24,599票)」20.8%に対し、「納得できない(93,491票)」は79.2%という結果になっている。

 これまでのレコ大受賞歴は売上げ枚数からの見地でも怪しく、11年AKB48「フライングゲット」(158万枚)、12年AKB48「真夏のSounds good !」(182万枚)、13年EXILE「EXILE PRIDE」(101万枚)はいいとして、14年の三代目 J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」は20万枚、15年の三代目 J Soul Brothers「Unfair World」も20万枚である。しかも、受賞対象は今どき「シングル」のみである。

 はたしてこれが、<その年度を強く反映・代表したと認められた『作品』>と言えるのだろうか。芸能界のごく一部の実力者によって決められるレコード大賞が日本の音楽業界の地位を著しく貶めてはいまいか。CDが売れなくなったと言われて久しいが、その原因を作り出しているのはどうやら売り出す側にあるのかもしれない。

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