テリー でも、キャバレーで手品を覚えたわけじゃないですよね。
マギー これまた見ていた雑誌がきっかけなんですけど(笑)、「手品を習ってプロのマジシャンになろう」みたいな、今で言うカルチャーセンターの広告が出ていたんです。キャバレーは昼間、ちょっと休み時間がありますから「おもしろそうだ」と思って週に一回、遊び感覚で通って、少しずつ覚えました。
テリー そこからいきなりプロを目指すんですか?
マギー そうですね、ちょうどキャバレーの仕事もイヤになっていましたから。ただ、どうすればプロになれるのかわからないので、電話帳で芸能プロダクションを片っ端から調べて、公衆電話で連絡してみたんですよ。
テリー 師匠、のんびりしたふうなのに、意外と行動力ありますねェ。
マギー でも弱気だから、いちばん優しい応対をしてくれた事務所に行ったんです(笑)。ネタ見せしたら、そこのおじいちゃんが「じゃあ、仕事が来たら電報を打つからね」って。
テリー 連絡手段が電報っていうのが、また時代を感じさせますね(笑)。
マギー そうしたら、ある日「○月○日に生麦ミュージック劇場に行かれたし」みたいな電報が本当に来たんですよ。
テリー あ、もしかしてストリップ劇場ですか?
マギー そうなんです。でも当時は何にも知らなくて、今で言うライブハウスみたいなところかな? と思ったら、駅を降りたすぐ目の前に裸の看板があって、そこで初めて気づいたわけです。で、楽屋へ行ったら、裸のお姉さんたちがたくさんいて、もうビックリしちゃって。
テリー 夢のようじゃないですか。
マギー いやァ、「お姉さん」って言っても、皆さん50過ぎですから(笑)。