視聴率は大コケでも満足度は高い?フジテレビ『明日の約束』第9話は5.1%に微減

視聴率は大コケでも満足度は高い?フジテレビ『明日の約束』第9話は5.1%に微減

 井上真央(30)が主演を務める『明日の約束』(フジテレビ系)第9回が12月12日に放送され、平均視聴率5.1%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)だったことがわかった。大幅にアップした前回に比べれば0.9%ダウンしているが、先週はテレビウォッチャーの満足度調査で、高満足度の基準を上回る4.00を獲得し、ドラマを評価する声は高まっている。

 前回のラストで、圭吾(遠藤健慎)の自殺の原因をつくったのは、担任の霧島(及川光博)だった事実が判明する。日向(井上真央)は理由を問い詰めるが、霧島は淡々とした表情で、少しも動じない。「学校に言いたければ言えばいい。ただし、そのときには圭吾が日向に告白していたこともばらす。」と伝え、職員室を去る。

 暴力事件以降、ぎくしゃくしていた本庄(工藤阿須加)は、日向にやり直したいと伝えるが、日向はどうしても受け入れられず別れを切り出す。さらに、行方不明になっていた香澄(佐久間由衣)が遂に日向の前に現れる。霧島への復讐を考えていた香澄だが、考えを改め、警察に出頭するのでついてきてほしいと頼むのだった。

 ここ数回の「明日の約束」は、襲撃犯の正体が明らかになったり、本庄の暴力事件が起こったりと衝撃の展開が続いていたので、今回は淡々と物語が進む印象が強かった。

 その中でも、強い存在感を残したのは霧島を演じる及川光博の演技だろう。サイコパスといっても過言ではない、霧島のゆがんだ信念と冷酷な態度は、職員室の暗さと相まってぞくぞくしたほどだ。

 冷めた目で冷静に真相を語りながらも、時には生徒や保護者に対する不満に声を荒げ、まさに絶妙なバランス。どこかにいってしまったような目つきからは、オフショットで見せる「ミッチー」の姿を微塵も感じさせない。

 母親・真紀子(仲間由紀恵)の盗聴が明るみになり、霧島が黒幕だと判明したことで圭吾の死は解決されたかのように見えるが、日向はまだすべてが明らかになったわけではないと考える。母親の盗聴や、クラスメートやバスケ部から受けた仕打ちが、本当に圭吾を死に追いやったのだろうか。最終回となる第10話では、真実がついに明らかになりそうだ。圭吾の死の謎も気になるが、日向と母親・尚子(手塚理美)とのゆがんだ関係が、最終回でどう決着がつくのかも気になる。

 尚子と日向の過去はところどころ出てくるものの、あいまいにしている点も多いので、最終回ではきちんと明らかにしてほしい。視聴率が低迷し、打ち切り説がささやかれたこともあるが、丁寧なつくりで、着実に視聴者を獲得してきた本作。来週で最終回かと思うと非常に寂しいが、フジテレビには最後をどうまとめるのか大いに期待したい。

文・Harumaki

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