貴乃花は愛国者だから親方に相応しくない?協会派・能町みね子の暴論が物議に

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 貴乃花親方は思想的に偏っているから親方に相応しくない? そんな奇妙な論説が賛否両論の物議をかもしている。

「コラムニストで相撲好きで知られる能町みね子(38)が、12月16日のTBSラジオ『TOKYOナイツのちゃきちゃき大放送』の中で『貴乃花(の右傾化)が危ない』と言い出したんです。貴乃花親方が11月末に支援者に送ったというメールに『陛下のお言葉をこの胸に国体を担う団体』『角道、報道、日本を取り戻すことのみ私の大義であり大道であります』とあったことを取り上げ、『大日本帝国みたいな感じ、軍隊とか、もう昭和の戦中のような文章』と批判しています」(週刊誌記者)

 相撲とは全く関係のないところでの物言いに、SNS上でも「ひそかに感じてた」「ちょっと怖いよね」と賛同する声もあったが、一方で「ついに人格攻撃まで始まった。国技だから全く問題ない」「いや逆に反日パヨクが国技やったら怖い」「日本人の愛国は右翼と批判、韓国人の愛国は応援する不思議」などと反発も相次いだ。

 貴乃花親方は、隠れた愛国者といわれる。多弁でこそないが、貴乃花部屋サイトのブログには、伝統・文化を重んじながら、日本国を想う気持ちが切々と綴られている。相撲は国技であり、2千年以上の歴史をもつ神事でもある。相撲道を追及すれば、ただの勝ち負けや技術論ではなく、行きつく先は「護国」とか「奉納」といった境地なのかも知れない。だが、能町はさらに「右傾化した親方の元で修行させるのは危険」と批判を展開させている。

■「ふつうの明るい若者」が右傾化して変な方向に?

「能町は『週刊文春』(文藝春秋社・12月14日号)のコラムでも、貴乃花部屋の双子力士の貴公俊(20・幕下)と貴源治(20・十両)が『ふつうの明るい若者という感じ』だったのに『右傾化してしまった』などと指摘しています。親方の影響でTwitterに旭日旗の画像に『日本人として日本という国に当然誇りをもってます』というプロフィールを載せるなど『変な方向へ』導かれていると非難しています」(前出記者)

 朝日新聞の社旗でもあり、大漁旗や節句にも使われる「旭日旗」が軍国主義的かはさておくとして、日本人が日本に誇りを持つことの何が問題なのか。また親方の方針が「変な方向」かどうかは、能町の主観にすぎない。20歳を越えた分別ある大人の力士に、なにが相応しいとか外野から口を出すのは余計なお世話といわざるをえない。

 シンプルな「暴行事件」が、転々と転がったあげく思想問題にスリ替わる。仮に右傾化してようが、宗教を信仰しようが、貴乃花親方が求めるのは暴行の刑事事件としての解決と、暴力指導を常態化する協会の体質改革ではないのだろうか。事件は極めて単純、司法の裁きを待つだけである。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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