じわじわ人気拡大中「県民手帳」の魅力とは

| まいじつ
Graphs / PIXTA(ピクスタ)

年末が近づいてきて、文房具店の手帳コーナーが活況だ。いまではスマートフォンやタブレットなどでスケジュール管理をしている人も多いだろうが、思いついたときにすぐ書き込める手帳タイプは、変わらぬ人気を誇っている。

なかでも、毎年コンスタントに売り上げが伸びているというのが『県民手帳』だ。県民手帳とは、もともと国勢調査の統計調査員向けに作成されていた手帳で、その後に市販化され、いまでは全国の都道府県で発行されている。

2016年度の発行部数の1位は長野県。以下、2位に茨城県、3位に群馬県、新潟県と続く。売り場で人気なのは青森県の県民手帳で、一般的に手帳といえば黒が基本カラーだが、“りんごレッド”や“サバブルー”、“マグロブラック”など青森県の特産品にちなんだ全5色のカラーバリエーションをそろえている。

群馬県の県民手帳は、従来のA6サイズに加えて新たに大判のA5サイズの手帳を追加し、お年寄りにも見やすく、記載しやすさをアピールした。群馬県のマスコット『ぐんまちゃん』をデザインしたタイプもあり、若い世代の女性にも人気だ。

県の施設の割引券がついているものも

県民手帳の魅力を東京都内の大型書店販売員はこう語る。

「かつては自分の出身地の手帳を購入する人が多かったのですが、いまは自分の思い入れのある県や、恋人の出身地、好きなサッカーや野球の本拠地のものを購入する人が多いです。ただ単にスケジュール管理用というよりも、各県の医療機関や市町村役場の所在地、道の駅の情報なども記載されていますので、観光ガイドとして購入する方も多いです」

毎年売り上げが上位になっている茨城県の県民手帳は、県下の『アクアワールド・大洗』のペア入場券が当たるアンケートや、フラワーパーク、県近代美術館など5施設の入場割引券も付いている。

各県によって値段は変わるが、安いもので300円から高くても1000円程度。地元のコンビニエンスストアや書店で購入するのが一番簡単だが、他県から購入したい場合は、県が郵送サービスを行っている。また、都内なら大型書店などでも購入可能だ。

仕事用に県民手帳を使用して、取引先と同郷だったことからスムーズに話が進んだ。こういったように思わぬ話のきっかけになることもあるとか。

自分の出身県の手帳を久しぶりに開いて、故郷に思いを馳せるのもいいかもしれない。

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