心霊スポットをめぐるツアーが人気を集めたり、幽霊が出るという噂の物件は値上がりしたりするなど、世界的にも「オカルト好き」として知られるイギリス人。
見えないものの存在を肯定するイギリスの文化は「不思議の国のアリス」や「ハリーポッター」、「指輪物語」など、世界的に有名なファンタジーを生む土壌となってきました。
そんな国民性を反映してか、イギリスには日本では考えられないようなスポットが存在します。
そのひとつが、ロンドンのへそ、トラファルガー広場に面したところにある「カフェ・イン・ザ・クリプト(Cafe in the Crypt)」。
「クリプト(Crypt)」とは、ギリシア語の「kryptos(隠れた場所の意)」が語源で、教会の地下や半地下に設けられた部屋(地下聖堂)を指します。死者を安置するための空間や納骨所として利用されるのが普通で、聖人や聖職者、あるいは一般の人々の棺や遺物が納められています。
ここ「カフェ・イン・ザ・クリプト」は、その名の通り、かつて墓所だった場所を改装したカフェ。
18世紀に建てられたセント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会の地下に位置し、ナショナル・ギャラリーやナショナル・ポートレート・ギャラリーから目と鼻の先という、観光の合間にも立ち寄りやすい絶好の立地のロケーションです。
カフェへは、教会に入らずに専用のガラス張りの入口からアクセスすることが可能。
階段を下りていくと、モダンな入口とは打って変わって、年季を感じさせる石造りの空間が広がります。