京阪電鉄『プレミアムカー』に陰り「たかが500円されど500円」の庶民の声

| 週刊実話

 「大阪から京都までプラス500円はきっついわぁ〜」
 浪速っ子の嘆きが聞こえてくる。
 関西圏に鉄道網を持つ京阪電鉄が、昨年夏から京阪本線特急(大阪府・淀屋橋駅〜京都府・出町柳駅)に投入した座席指定車両『プレミアムカー』の利用者数に、早くも陰りが出始めているという。

 特急列車に1両連結される『プレミアムカー』は、落ち着いたイメージの内装にコンセント付きで無料Wi-Fiも設置。アテンダントも常駐した豪華仕様となっている。
 「利用するには運賃の他に400円〜500円の座席指定料金が発生しますが、運行開始当初は高い乗車率を記録し、京阪電鉄の業績向上とイメージアップに大いに貢献しました。しかし、秋の観光シーズンと年末年始を越えてから、利用率は7割前後、平日の日中は5割を切ることもしばしばだというのです」(鉄道雑誌記者)

 実際に、日曜日の午前中、淀屋橋駅から出町柳駅まで利用してみると、座席もゆったりとしたリクライニングシートで快適そのもの。しかし、やはり乗客はまばらで、前後に連結された普通車両とは大違いの閑散ぶりだった。
 前出の専門誌記者はこう話す。
 「そもそもプレミアムカーの導入は、増加する外国人観光客を当て込んでのものでした。導入当初は話題になったことから利用客が多かったのですが、あっという間にプラス500円という料金に抵抗を示す客が増えたというのです。すでに爆買いや爆食いのブームは下火になり始め、今のインバウンドは団体より家族や友人らなどとの個人旅行が一般的になり始めている。彼らはいかに安く観光地巡りするかを考えているため、大阪から京都への40分程度の移動で運賃の470円以外は払いたくない、という傾向にあるようです」

 これは日本人観光客や地元利用客の感覚も同様のようだ。京阪電鉄の車両は一般の特急でもテレビ付きや2階建て車両など、レベルが高いイメージがあるだけに、有料となると一気に敷居が高くなるようだ。
 このような状況について、京阪電鉄の関係者はこう話す。
 「確かに、一時期に比べて利用客はダウン気味です。様子を見ながら料金設定も考えなければならないでしょうが、たとえ短い時間でも、ゆったりと座っていきたいという需要は必ずあると思います」

 500円あれば昼の弁当を買える時代、プレミアムカーの料金が高いか安いかは論議が分かれるところだ。

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