広瀬すず『anone』の視聴者おいてけぼり感が凄い?ジリ貧6.4%のワケ

anone:日本テレビ公式サイトより

 広瀬すず(19)が主演を務める連続ドラマ『anone』(日本テレビ系)の第4話が1月31日に放送され、平均視聴率は前回の6.6%から微減の6.4%(ビデオリサーチ調べ)だったことが分かった。これで初回の9.2%から4話連続で視聴率ダウン。このまま5%台に突入してしまう可能性も十分にある。

 同作品は坂本裕二氏が脚本を手掛けており、難解ながらも心に突き刺さるセリフだったり、登場人物たちが抱える少し悲しい背景が絡み合う人間関係だったりという部分が魅力のドラマだ。ただ、辻沢ハリカ(広瀬すず)をはじめ、林田亜乃音(田中裕子)、青羽るい子(小林聡美)、持本舵(阿部サダヲ) 、中世古理市(瑛太)のそれぞれが複雑な過去をもち、それぞれのストーリーが突如として始まってしまうため話についていけない人が続出。

 これまでは亜乃音が自宅の床下から見つけた偽札が鍵を握っていると思われたが、第4話ではるい子の話に。るい子の娘・アオバ(蒔田)は、るい子にしか見えないが、彼女は昔るい子が産んであげることができなかった少女の幽霊なのだという。そして、アオバ自身にも感情があるようだ。

 今回は、アオバを心の支えとして生きているるい子と、るい子の家族の話であり、本当の息子や家族に愛されることがなかったるい子に、「涙腺が崩壊した」「泣ける」という声が多くでていた。だが、そう思うのは坂本裕二氏脚本のドラマに慣れている層だったり、もともとのファンであるという人がほとんどの様子。

 そのほかの視聴者はというと、「全く意味が分からない」「偽札のゆくえどうなったの?」「最終回が全く予想できない」と理解に苦しむ人が続出。そういう私も、見ていて意味が分からなすぎて涙がでそうになるということはなかった。確かに、るい子の息子の態度は反抗期というには酷すぎるし、亜乃音の娘・玲(江口のり子)の態度も実の娘同然に育ててくれた人に対する態度ではないと思う。見ていて悲しく胸が苦しくなるのだが、それらがドラマが面白いということにはつながってこない。

 また今回は、冒頭から数分にわたってこれまでのあらすじがコピーつきで紹介されていたことにも驚いた。「映画の予告映像か?」というほどしっかりと説明がされており、これは明らかに「これまで話が分かっていない人向け」のものだといえるだろう。そして、第4話で今まで以上に複雑な話を盛り込んできたところをみると、どうやらこのドラマは「ついてこれる人だけが見ればいい」という方向性のようだ。

 そもそも『anone』のテーマとなっているのは“ニセモノ”ということらしい。そう言われてみれば、ハリカが覚えていた楽しかった幼少期も“ニセモノ”の思い出でありネットカフェの友達も“ニセモノ”の友情だった。亜乃音は産みの母ではないという点で“ニセモノ”の母だし、るい子の実在しない“ニセモノ”の娘。偽札というのも、この“ニセモノ”の中のひとつにすぎなかったのかもしれない。最後まで偽札が絡んでくると思っていたが誰だか分からない人に盗まれたところをみると、ハリカのネットカフェの友達のように、今後は全く出てこなくなる可能性もあるだろう。そして極めつけは、理市(瑛太)。仮に理市が玲の言う「再婚相手」なのであれば、彼もまた“ニセモノ”の家族と二重生活を送っていることになる。

 ドラマもそろそろ折り返し地点に入ってくる頃だが、正直言って全然話の流れがつかめない。登場人物それぞれに感情移入できる部分もあれば、自分を誘拐した人たちと仲良くなるハリカや、そもそも自分たちが誘拐や盗み・脅しをしていたことを棚にあげ被害者づらしているるい子と舵には甚だ疑問。唯一、ハリカが神野彦星とだけチャットやり取りしているときは、妄想するのが大好きだった少女時代の面影が残っていることから、こっちの姿が本当のハリカなのでは?と思ったりはするのだが。

 ジリ貧状態が続いている『anone』。このまま暴走して視聴者をおいてけぼりにすれば、さらに視聴率下落の危険性大。もう視聴者に寄り添ったドラマ作りは過去の話で、今は“忖度なし”がトレンドなのだろうか?今後、どう話が展開されていくのか様子を見守りたい。
文・吉本あや

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